天皇皇后両陛下が被災地に訪問されて、ひざまづいて頷いている姿を拝見するとナミダが出てくるよね。慈愛に満ちたまなざしとその行動。日本に生まれてよかったなあ!と日本国民として尊敬申し上げている。
さてこの本。
「1953年、19歳の明仁皇太子は大戦の遺恨が残る欧州を訪れた。それから続く各国王室との交流、市民や在外日本人との対話、戦没者の慰霊…。両陛下の振る舞いやおことばから根底にある思いにせまり、皇室外交が果たしてきた役割を明らかにする」そのエッセンスを紹介しよう。
・宮中晩餐会がフランスワインしか出さないのは事実だ。相手によってワインの選択を工夫すべきだとの執筆者の言い分は、日本の皇室のありよう、別の言い方をすべれば皇室のもてなしのルールを理解していない理屈といわざるを得ない。
・「外交儀礼とはどの国も平等にもてなすためのルールです」。だれも対しても公平・平等で最高のもてなしを追求する以上、相手によってワイン選択を工夫するということはあり得ない。
・私の知る限り世界の元首の館のかなえ、政治・外交の論理を排除しているのは日本の皇室しかない。国の大小を永久zす、賓客を公平・平等に、最高のもてなしで遇することは、世界を眺めたとき、ある意味、稀有なことなのだ。
・外務省の知り合い「オバマ大統領は日本の皇室に尊敬の念をもっています。堅実で質実な皇室や、両陛下のお人柄に感銘を受けたともいわれています。2009年に来日したとき、腰を90度に折り曲げてあいさつして本国で批判されましたが、あれはパフォーマンスではなく、大統領の両陛下に対する気持ちが態度に表れたのだと思います」
・なぜ宮中晩餐会は、フランス料理にフランスワインなのだろう。皇室がフランスの形式を模倣するのは、日本が明治維新を遂げた19世紀後半、ヨーロッパの外交儀礼はフランスを範とし、饗宴もフランス料理を正賓としていたことに由来する。
・晩餐会を和食にできない理由。まず和食はコースが多い。フランス料理なら前菜から果物まで5コースだが、和食となると平均的なものでも、前菜、お椀、造り、炊合せ、焼物、食事、デザートの7コース。しかも個々のコースに醤油皿など大小さまざまな皿がつく。食器の形も料理に合わせて多様だ。「百数十人分の、それも多様な和食器を取り揃えなければなりません。さらに皿を運んだり下げたりする手間があります。饗宴の時間も限られており、各コース1皿ですむフランス料理と比べると難しいです」
・訪日した外国の首脳が日本を理解するとき、皇室を通して日本人や日本という国の像を自分の内に結ぶことを、私たち日本人はもっと知っていい。とくに体制の変転で中断したり、再興した欧州の王室と異なり、皇室は世界で稀有の長い伝統を持つ。皇室が日本人の精神を表していると外国の首脳が見るのは当然のことでもある。
この本の内容は、日本国民として知っておかなければね。オススメです。(・∀・)