「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「紅白歌合戦と日本人」(太田省一)

社会人になってからの夢のひとつが紅白歌合戦』に出場して白組の勝利に貢献すること。出るだけだったら審査員としても出ることができる。しかし歌い手として選ばれて紅白のステージに立つことなのだっ!♪ このことを言い続けてきたけど、ミリ単位でその夢に近づきつつある。10月19日に『てるてるソング』プロジェクトのクラウドファンディングがスタートするのは、その一環です。みなさん、応援してね!♪

 

さて、この本を読んで予習しなきゃ!♪ φ(..)メモメモ

 

「今なお、四〇パーセント台の視聴率を誇る、紅白歌合戦「紅白」の歩みは、私たち日本人の歩みでもあった。美空ひばり坂本九山口百恵都はるみSMAP美輪明宏。大晦日の夜、時代を彩る歌手が一堂に会し、その年のヒット曲を、懐かしの歌を、心に残る名曲を歌い上げる。時代とともにそのあり方を変えながら、国民的テレビ番組であり続ける「紅白」に、私たち日本人は何を求めてきたのか。今日に至るまでの「紅白」の歴史をたどり直し、日本人の心の軌跡を描き出す渾身作!」そのエッセンスを紹介しよう。
 
・私たち日本人が60年以上にわたって「紅白」を見続けてきたのは、そこに〈安住の地(ホーム)〉を見出してきたからである。帰省して実家で見るにせよ、何かの事情でt会の自室で一人で見るにせよ、淋しさや不安を抱えた日本人を「紅白」は、笑顔で迎えてくれる。たとえそれが、バーチャルな安らぎであったとしても。
 
・企画者である近藤は、ある発想があった。それを近藤は「3つのS(セックス、すおポーツ、スピード)」と要約している。歌だからこそ「男女対等、ハンディなしのゲーム展開」が可能となる。何より「紅白」はスポーツであるという制作側の考えがそこにはあった。
 
・(鴨下信一美空ひばりは他の歌手とちがって、口を開くとき唇が上下均等に開かない。真ん中より下へ開く。つまりほとんど下顎だけが動いて発声する。下顎は左右にも、前後にも、細かく動く。このデリケートな動きが彼女の歌の表情をつくってゆく」そこに鴨下は、美空に対する“いじめ”の理由を見出している。
 
下顎を動かして話すのは、英語を話す国民である。つまりみそらは、日本の、もっとも日本らしい歌詞をもつ歌を、ほとんど気がつかないほど巧妙に英語っぽく歌うのである。それは戦後の日本人の英語文化(アメリカ文化)の需要の仕方と似ている。したがって、日本人にとって美空を見、その歌を聞くことは、そのまま戦後の自分を見ることであった。そこに喝采と嫌悪の根源がある、そう鴨下は指摘している。
 
・1951年にサンフランシスコ講和条約が締結されたのに伴い、占領統治の時代が終わりを告げた。それは米軍キャンプや米兵が集まるクラブを拠点に活動していた日本人ミュージシャンや歌手が、新たな活動の場を求めて、歌謡曲の世界へと入っていく。(フランク永井
 
白組司会をアナウンサーにするのには理由がある。「紅白」は生放送で、終了時間も決まっている。紅組に司会を務める歌手や女優には、時間配分を計算する余裕はない。ところが「紅白」では進行が大幅に遅れてしまうことも珍しくない。「紅白」には台本がないに等しい。曲順など大枠は決まっているが、曲と曲の間のやり取りなどは司会者に任されている。男性アナにとってはそこが腕の見せどころとなった。
 
・「ぼくの髪が肩までのびて 君と同じになったら 約束どおり町の教会で 結婚しようよ……」『結婚しようよ』のこの出だしを「画期的な詞」と評したのは、作詞家の阿久悠である。それまで流行歌の歌詞に、髪の長さが肩にかかるほどの男性が登場したことはなかった。(阿久悠)「二年前まで国を騒然とさせ、革命に至るのではないかとさえ思わせた若者が、突然、誰よりも心やさしく、誰よりも平和な家庭を臨んでいるのだということを歌い始めたのである。これは実に意外なことであった」
 
・(吉田拓郎)「『イメージの歌』『人間なんて』『結婚しようよ』etc…僕は、その時その時、心の中にあるものをそのまま表現してきただけである。どの歌も、紛れもない『僕の歌』であり、僕の歌っているのは『僕の歌』でしかない。僕は『僕の歌』を歌うだけ。君は『君の歌』を歌えばいい
 
・(松本隆)「ぼくは珈琲屋にはいると、必ずといっていいほど窓ぎわの席をとる。これは、瑠璃のような、実は閉じられた空間であるのにも関わらず、視覚的には外に開かれているといった、おそらく都市にしかありえないような変種の体内願望なのだろう」
 
 
「敗戦ショックと「紅白」の誕生」「「紅白」が「国民的番組」となるとき」「『黒い花びら』の新しさ」「『こんにちは赤ちゃん』とマイホームの夢」「ヤクザが仕切る興行とテレビ」「台頭するフォークと「紅白」」「阿久悠とテレビ」「テレビで人生を生きる歌手・松田聖子」「「熱愛と引退ーワイドショー化する「紅白」」など。
 
 
時代とともに変化してきたのがよくわかるなあ。今、現在、NHKから出演のオファーが来ていません。また来年以降に期待しています!オススメです。(・∀・)♪