「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「外食を救うのは誰か」(鷲尾龍一)

 

5月に事実上コロナが明けてからもう4ヶ月。この3年はなんだったんだろう!?って思うよね。飲食店イジメとしか思えないような印象を受けるのはワタシだけだろうか?

 

さてこの本。「コロナ禍でダメージを受けた「外食」は再び成長できるのだろうか──。話題を呼んだ新興ハンバーガー店はなぜ閉業したのか、給食事業のシダックスの争奪戦はなぜ起きたのか、食べログの点数を巡る訴訟の背景には何があったのか……。外食業界で起きた事件に迫りながら、再成長への道筋を探る本格的「外食産業論」。そのエッセンスを紹介しよう。

外食はただ食欲を満たすのではなく、その時々の生活スタイルや思い出と結びつく体験そのものです。だからこそ、人々にとって切り離せない重要な存在だということがよく分かります。

 
コロナ禍は「外食のセオリー」を変えました。駅前や繁華街など豊富な人流を持つ好立地の店が苦境に陥った一方で、郊外のロードサイドや住宅地に近い店は安心感を呼び、デリバリーやテークアウトの敵地となりました。かつては行列や満席の店内が人気店の照明でしたが、「密」を避け、ゆったりとした空間で過ごす時間を好む人々が増えました。避けがたい大きな環境変化が、外食産業の在り方に再考を求めています
 
・外食は「楽しく生きるためにはなかったらさみしいが、なくても腹は満たせる」という存在です。外食産業は自らの存在意義を追求し、世間に知らしめなければ生き残れません。後から振り返れば、コロナ禍は外食産業が最も注目された時代の一つと言われるでしょう。危機が話題になっている今こそ、業界全体で変革に挑む最大のチャンスです。
 
「独自の強みを持つ新しい業態を徹底しきれず、外食産業の古い成功体験からくる意見を跳ね返せなかった」ブルースター関係者は今、こう悔やむ。焼肉ライクの立ち上げに成功したダイニングイノベーションでさえ、再び成功するのは感嘆ではない。
 
利益率が低い、人手が足りない、競争が激しい……外食産業はいつもぎりぎりの経験を続けている。外食の経営支援を仕掛けるスリーウェルマネジメントの三ツ井創太郎氏はコンプライアンス、労働環境、組織管理、損益管理を、精神論で乗り切ろうとする経営者が多い」と話す。それはコロナ禍で始まったものではない。
 
・外食などのサービス産業について回る「同時性の制約」外食はサービスの提供者が消費者と同じ場にいることを前提とする。料理を作る設備、客が食事を取る場所、料理を作ったり客をもてなしたりする人がそろわなければならない。旅館業など他のサービス産業とも共通する性質だ。しかも、激しい「繁閑の波」がある。
 
・「大手の居酒屋さんはコロナ禍で苦しんだかもしれないが、個人店が潰れるというのは僕からいわせるとおかしい。お客さんに『あそこに行って応援してやろうぜ』と思わせられるかは、普段から信頼関係を築けているかどうかそういった意味でコロナ禍は外食店の分岐点になったのだろう。僕たちがやってきたことが間違っていなかったと感じた」(楽コーポレーション、宇野隆史氏)
 
外食を救うのは、外食産業を愛し、未来の姿を考え続け、それを実践に移す熱意を持った人たちです。本書が外食産業の未来を考えるきっかけの一つとなり、後に外食を救ったのは誰か」という話ができるようになれば、これ以上の喜びはありません」
 
 
その他、「捉えどころのない産業」「ある振興ハンバーガー店の敗戦記(ブルースターバーガー)」「おとり広告に営業秘密侵害」「簡単に外食店を始められる日本」「スケールメリット」「勃興の60〜70年代をけん引。ファミレスとファストフード」「塚田農場の立役者、新橋からユーカリが丘へ」「脱・好立地依存と水平型の連携」など。

 

時代が変わろうとしているね。ブルースターバーガー」の内情ってこんなカンジだったのかあ!外食は日本の宝、業界に関連するモノとしてほんと、応援したいよね。オススメです。(^^)