「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「九州だからできたおもてなし なぜ地方企業が極上のサービスを生み出したか」(産経新聞九州総局)

 

出張で福岡は10回くらい来たことがあったけど、実際に住んでみるとまったく見え方が違ってくるよね。うまくはいえないけど福岡の、九州の、土地の、人のエネルギーを全身で感じているのだ。

 

さてこの本。日本の1割の経済圏を拠点に、ホスピタリティー産業の世界でしのぎを削る5つの企業の物語が、ここに。


「ファミレスの原点へ ロイヤルホールディングス」「百貨店から地方創生 岩田屋三越
」「新時代の「街」を作る ハウステンボス」「地域経済のために 西日本シティ銀行」「世界に一つだけの「黒」 スターフライヤー」「脈々と受け継がれる「九州のDNA」」の中でもこれを紹介しよう。

 

【ファミレスの原点へ ロイヤルホールディングス
 
・昭和52(1977)年8月、江頭今日は、東京・三鷹ロイヤルホストの首都圏1号店となる三鷹店をオープンした。開店初日。江頭は午後9時頃、店を閉めるように突然、支持した。店内は家族連れで満席だった。さらに、近くの神社の夏祭りが終わったのだろう。浴衣姿でほろ酔いの客も、ちらほら店に入り始めていた。スタッフは訳が分からず、江頭をなだめようとした。だが、江頭は、言い放った。「げた履きで利用する人のために、じゅうたんを張っているのではない!あの人達は騒がしくてほかのお客様に迷惑をかける。ロイヤルホストのお客さまではないんです」江頭は、ロイヤルホストを、週末に家族連れが豊かな気分で食事ができる場にしたかったのだ。料理の味だけでなく、ホスピタリティー(おもてなし)を大切にし、店の内装や店員の身だしなみにも、強烈にこだわった。
 
ロイヤルホールディングス社長の菊地唯夫は、グループの主力事業であるロイヤルホスト再建を、15歳年上の矢崎精二に託した。矢崎は創業者が大切にした「週末の特別な空間」への回帰を選んだ。いや、再建の道はそこにしかなかった。客席を禁煙にし、全店に喫煙ルームを設けた。一部の店舗では、ドリンクバーや店員の呼び鈴を廃止した。矢崎の狙いは単純だった。ホスピタリティーという原点回帰だ。
 
・ドリンクバーも呼び鈴も、ガストが先鞭をつけ、ファミレスで当たり前となった制度だった。矢崎の改革案は、いわば常識への挑戦だ。部下は「客離れを加速させない」と反対した。「半年は間違いなく売れ行きは落ちるだろう。だが安さだけではないサービスを求めるお客様も、必ずいるはずだ。うちが求めているファミリー層を呼び戻そう」
 
ロイヤルホストはセントラルキッチンに甘んじることなく、最後の一手間を重視するファミレスだった。パック詰めされたパスタにソースをどう絡めるかで、味は変わる。だからこそ、ロイヤルホストの店舗にいる料理人は「シェフ」と呼ばれるのだ。
 
「『またロイヤルに行こう』と思ってもらうため、きちんとした料理を出すことが、何より大切なんです。コックを育てなければならないんです」「レストランに来られたお客に喜んでいただき、その地域になくてはならない店として認められる。それが『ロイヤルらしさ』だ」。
 
・昭和26(1951)年10月25日、日本航空のプロペラ機が米軍板付飛行場(福岡空港)を離陸した米ノースウエスト航空からチャーターした機体には乗客17人が乗った。福岡から大阪を経て東京への機中、乗客は風呂敷に包んだサンドイッチと、魔法瓶入りの紅茶を口にした。この質素な機内食こそが、江頭匡一が創業したロイヤルホールディングスの祖業だった。5年間は赤字続き。だが、28歳の江頭は、「なあに、200人、300人乗りの大型機が何十便も飛び交う時代が来るだろう。搭乗者は今は一部の富豪に限られているが、彼らが、ロイヤルの社名の入ったナプキンやつまようじを手に撮れば、知名度も上がる。金銭では計りきれない価値を生むんだ」江頭は野心と自信に満ち、「九州一の金持ち」を目指して突き進んでいた。そこには、父への反発があった。
 
「福岡で、おしゃれな生活文化をつくったのは(百貨店の)岩田屋とロイヤルだ」
 
すかいらーくの茅野「食文化の面で、すかいらーくとロイヤルは比較にならない。比較することすら江頭さんに対して失礼です」
 
・「会社が従業員を大切にすると、お客さまへの心配りなど、従業員の接客が良くなる。これが『天使のサイクル』です」
 
「飛行機が飛ぶのは揚力ではありません。お客さまがいてこそ飛ぶんです」
 
久しぶりに『外食王の飢え』を再読したくなったなー!
 
「料理好きの母が残した3冊の大学ノート」「「冷凍食品は料理ではない」と反発され」「大阪万博を支えた「セントラルキッチン」」「子供たちが出会うと「ロイヤル行った?」」「すかいらーく社長の通勤路に出店」「富士山も日本一だから印象に残るんだ」「東日本大震災で再確認したホスピタリティーなど。
 
やっぱりロイヤルはファミレスの中でも違うよねー!一歩も二歩も進んでいるよね。九州のホスピタリティー、住んでいると伝わるなー!♪ オススメです。(・∀・)