「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「女性ホームレスとして生きる 貧困と排除の社会学」(丸山里美)

f:id:lp6ac4:20211207042828j:plain

 
タイトルに惹かれて読みました〜!「女性ホームレス」ってあまりみないよね。どれくらいいるんだろう?どんな生活をしているんだろう?ってワタシと同じことを考えて取材したのが著者。レアだね〜。
 
女性ホームレスの知られざる生活世界に分け入り、個々の生活史や福祉制度の歴史から、女性が社会的に排除される過程を浮き彫りにする。路上にとどまる人びとの声に耳を傾け、自立を迫る制度の前提にある主体とは何か、意志とは何かを問い直す」そのエッセンスを紹介しよう。
 
会話の中で話題に出たノビルを彼女と二人で積みに行くことになった。そこは大都会になりながら自然あふれる公演で、イタドリやノビルなど、食べられる植物が自生していた。公園で暮らすことの、思いがけない豊かな一面を見た気がした。野草積みの楽しい時間は、うまくいかない調査に対する私の重苦しいあせりを、一瞬忘れさせてくれた。翌日、公園で開かれた女性野宿者の集まりで、元料理人だったという彼女は、二人で摘んだノビルを料理して振る舞ってくれた。
 
ホームレスの女性の話を聞きたい。そもそも女性ホームレスの存在にすら触れられておらず、当時私が知りたかったことーどのようにして女性がホームレスになるのか、圧倒的多数の男性のなかあでどのように生活をしているのか、どんなジェンダーアイデンティティを持っている女性なのか。女性の野宿者と、より広い意味でのホームレスの両方を対象に、女性がホームレスになるメカニズムと、彼女たちの固有の経験を得たき出していく。
 
・2012年に行われた厚生労働省による概数調査では、女性は全体の3.2%にすぎず、大半は単身の男性だった。野宿者の数にこのような圧倒的な男女差があることは、貧困の発生メカニズムとが男性と女性とでは異なっており、それが社会のジェンダー構造と切り離せないことを示しているだろう。女性は男性と比べて野宿生活に陥りにくい固有の回路が存在すると考えられる。
 
女性ホームレスの平均年齢は59.0歳で、若干高齢層に偏っている。特徴的だったのは結婚歴で、男性の場合は結婚経験がない人が半数以上もいるのに対し、女性では9割近くに結婚歴(内縁関係含む)があり、そのうち半数以上が複数回の結婚を経験している。それは貧困女性にとって男性パートナーを持つことは、生活を維持するためのひとつの手段であるためだと考えられる。また子どもがいない人は半分以上を占めているのも特徴的である。ホームレスの人は総じて学歴が低いが、女性の場合は最終学歴が中学校以下という人が半数以上を占め、男性よりさらに低いものとなっている。
 
・「やっぱりここのいたら女の人でさ、一人でいたらやっぱり怖いよ。慣れりゃそうでもないだろうけど。うちはほら、(夫が)いるからそうでもないけど。夜んか私でも怖いよ。はっきりいったらさ。わざわざ(夫を)起こすんだもん、トイレに行くとき。いないときが、いないときに一人になったとき怖いんだ。昼間でも」
 
「女性ホームレスを対象とした福祉体制の成立」「福祉施設の利用とジェンダー規範」「女性野宿者たちの生活世界」「野宿をすることと野宿を脱すること」など。

 

よく調べたね。これが現状の

 

f:id:lp6ac4:20211207042828j:plain