「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「指名手配作家」(藤崎翔)

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いや〜〜いいわー!オモシロイわー!久しぶりに藤崎翔、読んだけど、いいわー!!!楽しいわー!!!タイトルからストーリーを想像しちゃうよねー!(・∀・)

 

「売れない小説家・大菅賢は、担当編集者を口論の末に死なせてしまい、逃亡する。潜伏先で自殺を決意するも、すんでの所で桐畑直美と出会い、匿われることに。さらに、直美の覆面作家として賢が小説を書いて再デビューを狙うことで二人は意気投合するのだが、そんな前代未聞のゴーストライター作戦が簡単にうまくいくはずもなく――。著者渾身の傑作ピカレスク・ホームコメディ!」そのエッセンスを紹介しよう。
 
・もしかしたら、林の中に生えている野草の中にも、食べられる物があるのかもしれない。ただ、食べられる草がどれなのか、見分ける能力がないのだから仕方ない。ああ、俺に岡本信人的能力があればよかった。5分でもいい。岡本信人がここにワープしてきて、食べられる野草をレクチャーしてほしい。ああ、岡本信人お願い。今すぐここに来て。信人、信人ったらー人生でこれほど岡本信人を欲する日が来るとは、賢も予想していなかった。
 
なんじゃこりゃあ!慌ててぺっぺと吐き出す。ああ、これが渋柿というやつなのか。これは「渋」の一文字で片付けちゃいけないだろ。だって「渋いお茶」は飲めるけど「渋柿」は飲み込むのも絶対に無理だぞ。ほぼ毒柿」とか「罰ゲーム専用柿」とかに改名すべきだ。
 
「君は死のうとしてたんだろ?人間死ぬ気になれば何だってできるだろ?だから、その…会ったばかりの男と、セックスだってできると思わないか?」お前、クズだな!」「ああそうだ、クズだよ!」
 
とにかくセックスはしたい。その一心だった。掃除中も入浴中も勃起は収まらなかった。30を過ぎてここまで勃起したことはなかったかもしれない。よく新聞や雑誌などに、勃起改善のサプリはらノコギリヤシの何とかやらの広告がいっぱい載っているが、最も効果的なのは、人を殺めて一週間ほど逃亡して自殺を決意したところでタイプの女と出会うことだろう。勃起でお悩みのみなさんにぜひおすすめしたい。
 
・なんだか、ごく普通のマリッジブルーのようでもある。でも決定的に違うのは。直美の場合は前例がないのだ。マリッジブルーを経験した女」は山ほどいるだろうけど、自分のゴーストライターである指名手配と内縁の夫婦になれるか悩んだ女」は、日本中いや世界中探しても、たぶん一人もいないだろう。直美はこのテーマで悩んでいる、人類史上初の女なのだ。
 
「直美……うちに帰ったら、今までの日記、出してくれないか」
 
・お金の心配はなくても、将来の不安はある。俺は将来どうすれがいいんだろう。何を目指して生きていけばいいんだろうー。というのも、俺が小さい頃から密かに抱いていた夢は、わずか12歳にして、もう叶ってしまったのだ。「ぼくも、しょうらいは。おとうさんみたいな、うれっこのさっかになりたいです」
 
『六畳の地獄』『カミさんはミステリー作家』『作者急逝』『指名手配作家』は、実在したら読みたいねえ。ベストセラーになるよ。

 

 

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