「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「愛と狂瀾のメリークリスマス なぜ異教徒の祭典が日本化したのか」(堀井憲一郎)

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あっっという間にクリスマス・イブだね。思い出すのは「観覧車でのプロポーズ事件」

だなあ!(笑)まあ、それは置いといて!(笑)(・∀・)

 

ワタシは仏教徒なので、クリスマスはカンケーないし、クリスマスリースもツリーも飾らないし、あっ!ケーキは買うけど。(笑)

 

実は、このクリスマス騒ぎは、今始まったことではなく、100年以上からあったって知ってた?日露戦争の頃からあったなんて信じられなーい!!!

 

なぜキリスト教信者ではない日本人にとっても、クリスマスは特別行事になっているのか?それは実は、力で押してくるキリスト教文化の厄介な侵入を――彼らを怒らせることなく――防ぎ、やり過ごしていくための、「日本人ならではの知恵」だった! 「恋人たちが愛し合うクリスマス」という逸脱も、その「知恵」の延長線上にあったのだ――キリスト教伝来500年史から、極上の「日本史ミステリー」を読み解こう!」
 
・フランスのブルゴーニュで、サンタクロースが火あぶりにされたことがある。生身の人間ではない。クリスマスでお馴染みの、あの、サンタクロースである。聖なるキリスト降臨祭を異教徒化した罪」によるものだ。つまりカトリック教会によって、サンタクロースの存在は異端であると断罪されたのである。1951(昭和26)年、当時の新聞は「本来、キリスト教徒の祝祭日であるクリスマスに、無縁の日本人がなぜ馬鹿騒ぎをするのか」という疑問を繰り返し呈している。お馴染みの論説である。これは、日本でのクリスマス騒ぎが始まった20世紀初頭から、繰り返し述べられる識者の意見である。そして、それは100年を超え21世紀になったいまも耳にする言説である。
 
「火あぶりにされたサンタクロース」の事例が示しているのはクリスマスの祭りはじつはキリスト教とは本質的には関係していないのではないか」ということである。それは同時にわが国でのキリスト教徒でもないのにクリスマスに騒ぐ」という行為が間違っていない、ということを暗示している。
 
・本書は「日本におけるクリスマス祝祭の歴史」を追った本である。1594年のキリスト教伝来以来の「降誕祭」の様子を細かく辿っていく。キリスト教は1594年に伝来し、1639年の鎖国令によって完全に追放された。明治になってキリスト教は再び渡来し、そのまま何となく日本にある
 
・誰も、キリスト教徒がいるななら日本でも降誕祭はあっただろう、という想像をしない。自分が生まれる前から日本にクリスマスがあったとは、誰一人考えもしない。日本は、異物としてのクリスマスに目をつけたのだ。クリスマスを盛大に祝うことは、キリスト教から逸脱していくことになる。だから、積極的に祝いだした。キリスト教と敵対せず、しかしキリスト教に従属しない方策として、クリスマスだけ派手に祝うことにしたのだ。
 
「クリスマスの馬鹿騒ぎ」は明治時代から始まった。米英戦争による中断をはさみ、そのまま21世紀につながっている。日露戦争のあとなら、どの時代の日本人も、すべてみな「クリスマスの想い出」を語ることができる20世紀の日本にはいつでもクリスマスがあった。クリスマスの大騒ぎするのは、日本人ならではの知恵なのだその経緯を細かく説明していく。
 
「日本のクリスマス騒ぎ」は、力で押してくるキリスト教文化の侵入を、相手を怒らせずにどうやって防ぎ、どのように押し返していくか、という日本人ならではの知恵だったのではないか。だからこそ恋人たちのクリスマスという逸脱にたどりついたのである。そういう日本のクリスマスの歴史を見ていきたい。
 
「なぜ12月25日になったのか」「戦前日本のまじめなクリスマス」「隠された人と流された人の江戸のクリスマス」「他社の物珍しい祭りだった明治前期」「クリスマス馬鹿騒ぎは1906年から始まった」「どんどん華やかになってゆく大正年間」「クリスマスイブを踊り抜く昭和初期」「戦時下の日本人はクリスマスをどう過ごしたか」「敗戦国日本は、狂瀾する」「戦前の騒ぎを語らぬふしぎ」「高度成長期の男たりは、家に帰っていった」「1970年代、鎮まる男、跳ねる女」「恋する男は「ロマンチック」を強いられる」「ロマンチック戦線から離脱する若者たち」「日本とキリスト教はそれぞれを侵さない」など。

 

 

 

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