毎年、読んだ本の番付表をつけるんだけど、なんといっても、ほしおさなえさんの「活版印刷三日月堂」のシリーズに出会ったことが、今年はナンバーワンだね。何度も何度も読み返したい、のと舞台である川越に行きたくなっちゃいましたっ!!!(・∀・)
さて、この本はその続編のようなシリーズで、またまた川越が舞台!
「家の声が聞こえる――。幼い頃から不思議な力を持つ大学院生・遠野守人。
縁あって、川越は菓子屋横丁の一角に建つ築七十年の古民家で、住みこみの管理人をすることになった。早くに両親を亡くし、人知れず心に抱くものがある守人だったが、
情緒あふれる町の古きよきもの、そこに集う人々の物語にふれ、自分の過去にむきあっていく。人もものも、記憶を抱いて生まれ変わることができる。心のいちばんやわらかな場所にやさしく沁みる新シリーズ、第一作」そのエッセンスを紹介しよう。
縁あって、川越は菓子屋横丁の一角に建つ築七十年の古民家で、住みこみの管理人をすることになった。早くに両親を亡くし、人知れず心に抱くものがある守人だったが、
情緒あふれる町の古きよきもの、そこに集う人々の物語にふれ、自分の過去にむきあっていく。人もものも、記憶を抱いて生まれ変わることができる。心のいちばんやわらかな場所にやさしく沁みる新シリーズ、第一作」そのエッセンスを紹介しよう。
・靴紐をほどこうとかがんだとき、声がした。家の声だ。 聞こえるかも、と身がまえていたから、焦りはしなかった。だが… …。これは、歌……?少し変わった声だった。抑揚があり、 歌っているように聞こえる。なんの歌だろう? 聞いたことがあるような気がするが、判然としない。
・窓の前に立つと、また歌声が聞こえた。ずっと、 声のする家にはいるたびに感じていた。ここにはなにかいる、と。 だから少し怖い。幽霊みたいなものとはちがうが、 その声の主は僕よりずっと長い時間を生きて、 いろんなものを見ている。だが、同時に強く惹かれる。 逃れられない、と思う。巻き込まれたら命を落とすかもしれない、 という気さえするのに。家が歌っている。 やっぱりなんの歌かわからない。でも、この声はきらいじゃない。 ここに住む。毎日この声を聞きながら。
・家も歌っている。声がふるえている。ふるえて光っている。 そうか、そうなのか。なぜか、家の声がなんなのか、 少しわかった気がした。言葉では説明できないけれど、 僕とあの家が家族だったのと同じように、 この人とこの家も家族だったのだ。家の声とは、 きっとそういうものなのだ。
・古い建物に住むというのは、 大きな魔物の腹にはいるのと同じだと思うんです。 魔物と馴染めず、 原因に気づかないまま調子を崩してしまう人もいる。あなたは、 引っ越してきてすぐに、月光荘を手なづけてしまった。 まだ若いのにね。
・受け入れられた。その言葉を思いつき、急にしっくりした。 僕は受け入れられたのだ。この家に。 ここに住むことという意味じゃない。 僕が生きていることそのものが受け入れられた。
なんか、わかる気がする。もう無くなってしまったけど、新潟の私の生家が残っていたら、いろんなことを話してみたい。話せる気がする。いいなあ、このシリーズも読んで行きます。超オススメです。(・∀・)♪