「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「ショージ君のぐうたら旅行」(東海林さだお)

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ショージ君のぐうたら旅行

ショージ君のぐうたら旅行

 

緊急事態宣言が解除され、ひさしぶりに図書館に行くことができた。ウレシイ!活字を読むことは血液の流れのように習慣化されいてるので、ようやく「命」が復活したような気分だ。こんなときは、ショージ先生の本だよね。(・∀・)

 

「いつのまにか旅から哀愁とロマンが失われ、ただ騒々しい団体さんの移動となり下ってしまった。これではあんまり旅が可哀そうだ。このような世の風潮を嘆きつつ、ショージ君がホンバモノの旅を求めて、日本最北端の地で涙と鼻水をたらし、信濃路でタヌキ汁を賞味し、はるばる小笠原で昼寝をし、下町でバアチャンと芝居を見てまいりました。ついでに川上宗薫センセイに“モテ方”をたずね、五木寛之センパイに金沢を案内してもらうショージ君の抱腹絶倒の旅」そのエッセンスを紹介しよう。
 
新宿駅のホームで電車を待っていると「モハ」とか「イハ」とか書かれた電車が、次から次へとやってくる。ぼくは、できることなら「ウハ」という電車に、ウハウハ、ウハウハ喜びながら乗り込みたかったのであるが、ウハウハ電車がついに来ず、仕方なく「モハ」電車に、モハモハ、モハモハ乗り込んだのであった。
 
・床の間には、由緒ありそうな掛け軸が、由緒ありそうに掛かっている。由緒ありそうな置物、由緒ありそうな壺には由緒ありそうな花が生けててあり、座卓も由緒ありそうな黒い漆塗りのものである。どこもかしこも由緒だらけである。そこでぼくは、「ユイショ!」と掛け声をかけてテーブルの前に座り込む。やはり由緒ありそうな脇息に、ゆったりともたれると、まるで殿様のようである。
 
西荻に仕事場を持って、ちょうど二年になる。家には一日おきに帰ることにしている。仕事場で一泊しては、翌日わが家で一泊する。「わが家で一泊」という言い方はおかしいかもしれないが、そういう感じなのである。
 
・仕事場に泊まるときは、一人で晩めしを食べます。外へ出て食べることもあるが、大抵は仕事場周辺の商店街から買い集めてきたおかずを、畳の上に新聞紙を拡げ、その上に並べ、腹這いになって、モシャモシャ食べるのです。
 
・ロンドンの朝はコーヒーで始まるが、西荻の朝はコブ茶で始まる勤め先で目覚めた重役兼社長兼小使は、まず台所に立ってコブ茶を入れる

 

「わが、果てしなき傷心の旅」「花の都を空から見れば」「ただいま上野“散歩中”」「信濃路のタヌキ食味記」「中年はヤングをめざす」「即席ドック入院日記」「宗薫先生のモテ方教室」「ボクの「遠くへ行きたい」」「ゴムが泣いたぜ小笠原」「金沢にて五木センパイと」「ぼくの棲む街」など。

 

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ショージ君のぐうたら旅行

ショージ君のぐうたら旅行