「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「平成元年のオードブル」(東海林さだお)

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平成元年のオードブル (文春文庫)

平成元年のオードブル (文春文庫)

 

天才エッセイスト、東海林さだおさん。世間は新型コロナウィルスの話題でもちっきりだけどそれに乗じて暗くなってはイカン、イカンっ!!!東海林さだおさんの本で明るくならねばっ!(・∀・)

 

「いらっしゃいませ。どこから読んでもおいしい「読むオードブル」が18皿、当店自慢のメニューです。たとえば、エッセイ風平成風味ソテーおでん仕立て・ルポ風笑い茸パイ皮包みコラムソース・ノンフィクション風紀行マリネ季節のサラダ添えなどなど、旬の味を取り揃えて、ご来店をお待ちしています」そのエッセンスを紹介しよう。

 
わが家の猫、通称ニボ。フルネームニボシのかかりつけの医者、すなわち主治医なんてものもできて、庄司ニボシ殿というハガキがくる。その後の健康状態はいかがですか?なんてハガキがくる。「人間ドック」に類するものもあり、これは「猫の人間ドック」ということになり、かなりややこしい。
 
猫一族は世界中で繁栄するばかりだ。猫はわがまま、自分勝手でもある。孤立を好み協調を拒む。小心である。猜疑心が強い。気まぐれである。計画性がない。これらの欠点を、ただ一つの美点、仕草の愛らしさという魅力で補い、その魅力を人間に売って、それ一本で世間を渡ってきたのである。それでことごとく成功してきたのである。無力、無防備でありながら、そっちのほうはすべて人間のほうのおまかせして外敵に対処し、食糧も衣も住も娯楽も、全部人間におんぶにだっこというのが猫一族の経営方針である。恩義も感じずわがまま仕放題。それでも憎まれない特性は、これは十分に研究に値する課題ではないだろうか。
 
・スイカはいい。イカは野菜界の鯨なのだ。(なんだかよくわからないけど)スイカの大きさは、イカ独自の考えであの大きさになっているのである。まわりを見廻して「オレ、果物としてあまりに大き過ぎるかな」などといういうことを考えないのである。性格がおおらかなのだ。トマトとかナスとかにはあんまし大きくなると冷蔵庫に迷惑かけるからな」というような、こざかしいおもねりがみられるが、スイカにはそれがない。あの重さもいい。片手で持てないところもいい。持ちづらいところもいい。
 
その他、「猫の時代」「骨董入門」「ドーモ変だなドーム野球」「木はいい」「すわるおばさん」(名作!)「奈良よ!」「おじさんの身辺グッズ」「上野ーその秋」「革はいい」「バスはバス連れ」など。

 

やっぱり東海林さだおさんは、いいなー!全作品まで8合目まで来たかなー!オススメです!(・∀・)♪

 

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平成元年のオードブル (文春文庫)

平成元年のオードブル (文春文庫)