もし、もし、あの力道山が平成の世に甦ってきたら!?そして前田日明と闘ったら!?もしその前座は猪木と馬場だったら?そんなドリームがこの本で実現します!!!
「時は平成元年、東京ドーム。リングでは前田日明の異種格闘技戦が行われております。その試合を見つめるハンチング帽の男。おう、なんと。この世を去ったはずの力道山ではありませんか。「あの小僧とセメントで闘いてえ。前座はおめえたちだ」27年間の冷凍睡眠から目覚めた力道山は馬場と猪木にそう命じたのでごさいます――プロレスをこよなく愛する著者がおくる夢のプロレス小説」そのエッセンスを紹介しましょう!
・「おらあ、思うんですがね。人間てのは、 長く生きるために生きてるんじゃねえんですぜ。 ワシの口から言うのは、 ちいっとばかりおかしいかもしれませんがね。力道山は、 長生きするために生きてるんじゃない……。夢ですよ、 夢のために生きている。みんなの夢ですよ。 今夜会場に来ている人間ひとりずつの、 おいらの名前を知っている全ての人間の、 これからおいらの名前を知ることになる全ての人間の夢のために、 この力道山は生きてるんですぜ。力道山はね、このワシ、 このおれ自身の夢も背負ってるんです。そうですぜ。ワシも、 このおれ自身も、力道山に夢を持っている。その夢のために、 力道山はリングに行かなかきゃあならんのです」
人間の夢ってのは、ひとりひとり違う。で、 夢を持ってる人間は幸せかってえと、そうじゃない。 夢を持ってるからこそ、人間ってのは、哀しい目にあったり、 辛い目にあったりするんじゃねえんですか。夢さえ持たなきゃ、 人は不幸にゃならねえんで。けど、しかしね先生、夢がなきゃあ、 哀しいこともないかわりに楽しいことだって消えてしまうんですぜ 。そういう、 みんなに夢の哀しいこと辛いことのそんなもののなにもかも、 あらいざらい、全て、全部ひっくるめて、 どーんと引き受けてくれる人間が、今、いますか?
このおれは、銭も欲しい。大むこうも唸らせもしたい。 いい女も欲しい。名誉も権力も欲しい。おまけに、わたしは、 他人の下につくのが、我慢ならねえんです。 おいらのそういうもの全部を、 受け止めてくれる人間がいますかね。それは、 この力道山ただひとりしかおりやせんぞ。
木村政彦ファンのワタシ。「鬼の木村」が出てきたときには感動したねー!プロレスファン必読っ!オススメです。(・∀・)♪