「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「破壊者」(松浦勝人)

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破壊者 ハカイモノ

破壊者 ハカイモノ

 

 表参道の弊社からすぐのエイベックス。表参道イチ大きいビルだ。その社長、松浦勝人さんは「M」(小松成美幻冬舎見城徹さんとの共著で知った。ひとことでいうとスゴい本だ……一気に読んでしまった!

 

稀代の経営者、ヒットメーカー。30年の軌跡。GOETHE」の大人気連載がついに書籍化。「理想的な経営者になるなんて僕には無理だと分かった」業界の常識はエイベックスの非常識。貸しレコード店のアルバイトからエイベックスを創業。そして上場。
芸能界のど真ん中で戦い続けた松浦勝人の全思考」そのエッセンスを紹介しよう。
 
 
自分の知らないもので、面白そうなものには、どうしても好奇心が動いてしまう。そして、一定期間とことんハマる。寝ても覚めてもそのことを考える。遊びのレベルをはるかに超え修行のようにのめり込むそして自分の中でそのものの本質をつかんだと感じた時、興味は次のものに移っていく。
 
・僕は、子供の頃からずっと「今のままでいいわけがない」という危機感の中で生きている現状というものに満足したことがない。上場した時も、すぐに今のままでいいわけがない」という不安が以前の何十倍も膨らんでいた。
 
そもそも僕は、何か目標を持って、音楽ビジネスを始めたわけではない。上場企業をつくろうと思って起業をしたわけでもなんでもない。ただただ、長い終りのない階段を一段ずつ上っている。音楽にハマっていたし、ビジネスをにハマっていたのだろう。不思議とこの2つだけは飽きずに長続きしている。僕の階段はまだ屋上がまったく見えていない屋上があるのかどうか、上がり切ったら何が待っているのかすらよくわからない。それでも、僕は不安の中にいながら、階段を上がっていくそれが僕だと思うから。
 
僕にとってのモチベーションは、言い方は悪いけど「敵をたたきつぶすこと」。ライバルを徹底的にたたきつぶすことが、いつも僕を奪い立たせてくれるライバルが最初からライバルだったわけではなく、コンプレックスから始まったんだと思う。
 
意外に思われるかもしれないけど、僕が好きなのは音楽ビジネスじゃない。ムーブメントを起こすことだ。その武器のひとつがアーティスト浜崎が尻尾をつけると、街中のコギャルがみんな尻尾をつける。見ていて面白いし、ここにビジネスチャンスがあると思っている。
 
30代半ばまでの僕には、時間の使い方なんて考える余裕すらなかった。24時間、仕事しかなかったから。当時は秘書なんかいないから、スケジュール管理は自分で手帳につけてやっていた。ところが普通の手帳じゃ話にならなくて、0時から24時まで書き込める予定表を使っていた。それがびっしりと埋まっていく。あの頃は「仕事が遊びで遊びが仕事」だった。大いに飲んだり遊んだりしたけど、それも仕事のうち。時間がまるで足りない。いきおい、睡眠時間を削ることになる。一日1時間削れば月に30時間、丸一日人よりも多く使える。じゃあ、2時間削れば2日多く使える、とまで考えていた。
 
僕の人付き合いは、その人と真正面から向き合うこと。思ったことは何でも言う。さすがに「それは言ってはいけないことはわきまえているつもりだが、それでも口にしてしまうこともある。
 
僕は無愛想だし、不機嫌そうな顔をしているので、第一印象は必ずといっていいほど悪い。それをひっくり返すには、自分のすべてを相手に見せるしかないと思っている。
 
僕が会いたい人に伝えるのは「特に用事はないけど、会いませんか」ということ。自分が電話を受ける身だからよくわかるのかもしれないけど自分に都合のいいビジネスの話をしたいんじゃない」と初めにはっきり伝える。じゃないと、相手も警戒すると思うから。
 
今のエイベックスは、最高にピンチな状態だと思う。売り上げだとか事業ということでなく、今までになかったまったく新しいモノが生まれてこないからだから僕は、できるだけ業界とか音楽とかということを、一度頭の中から全部追い出して、頭を一回転させてもとに戻そうとしている。
 
今、僕は釣りに熱中している。僕の釣りは趣味じゃない、道楽じゃない、「修行」。息抜きなんかじゃない。プライベートの時間は、最後の一秒までこの修業に使っている。
 
僕はひとりでいるという瞬間がない。ひとりでいたいとも思わない。この感覚が普通なのだ、普通でないのかよくわからないけど、食事をしていても、酒を飲んでいても、常に人の目があることを意識している。極端かもしれないけど、集まってくる女の子たちは信用していない。店員でさえ信じていない。どこで何を話されるかわからない。
 
僕はお金そのものというより、お金の向こう側にあるものが欲しい。お金は単にものを手に入れるための道具だった。たいがいのものは買ってしまったので、今は、人のためにお金を使うのが楽しい。人に何かをしてあげて、その人が喜んでいる姿を見るのが楽しい。例えば、食事をごちそうするとか。ドS体質なんだと思う。その人が快感を得ている姿を見て、僕も快感を得る。
 
僕には友達がいない。いるわけがない親友というとひとりぐらいしかいないし、そいつのことだって、普段は忘れていて、何かのふとした時に思い出すくらい。それなりの経営者っていう人は誰も僕のことを知らない外国にでも行って暮らさない限り、友達なんかできないんじゃないだろうか。
 
正直、寂しいと思うことがある。仕事が終わって、今日は会食の予定もなく、自由に好きなところに食事に行ける時に、誘う相手がいない社員を誘うことはできない。結局いつも同じ面子(メンツ)で食事に行く。土日なんかも、本当に何もすることがない。
 
お酒は飲むけど、もともと好きではない。それでも飲む。理由のひとつは時間を飛ばしたいから。考えても解決法なんて見つからないとき、気が狂いそうになる。だから酒を飲んで時間を飛ばしてしまう。酒は適量を飲むのが楽しい」という感覚が僕にはわからない。酒は酔うために飲む。酔うと、自分の感情が豊かになる。良くも悪くも、自分をさらけだしてくれる。成功の元も酒から始まるし、トラブルの元も酒から始まる。僕にとって酒は便利な道具。
 
僕は人見知りで、初対面の人といまく話ができないし、相手と目を合わせることができない。酒の力を借りて「酔っているから」という前提がないと話をすることができない。しらふで女の子を口説く人がいるけど、僕には信じられない。もし酒がなかったら、僕は「無愛想」というひとつのイメージしかなかったと思う。この世に酒というものがあったおかげで僕のイメージに振り幅ができた。酔っている自分、しらふの自分、どちらも本当の自分そのギャップが大きいことで松浦勝人ができあがっている。
 
僕はエイベックスを創業した時からずっと不安だった。その不安がモチベーションになって成長することができた。今でも不安だらけの中で社長業をやっている
 
「君は自己評価が低すぎるのではないか」とある人から真顔で言われたことがある。そのとおりなのかもしれない。もっと図々しくなればいいのかもしれないもっと他人に対して威張ってしまえばいいのかもぢれない。でもそれができない。もっとちゃらんぽらんになれたら、どんなに楽だろうと思う。でも、それができない。
 
僕は自分に対する評価が低く、自分を褒めない。だから、人を褒めることができない。これは不幸なことだと思う。でも、今の自分をもう少し受け入れないといけないのではないかと思い始めている。
 
僕はいつでも何かに熱中していないと生きていけない。釣りでもいいし、仕事でもいい。熱中することが僕が生きていく拠り所になっているきっと僕自身が何かを捨てられないでいるのだと思う。それは夢なのかもしれないし、あきれめ切れないことなのかもしれない。
 
この仕事は全然安定していない。会社も、僕の人生も、上がったり下がったりがとても激しい。だから、他の経営者を見ていて、安定していていいなといつも思う。いつも不安の中にいなければならない。一方で、安定していたらつまらないだろうかとも思う。僕の仕事は毎日がイベント。いいことも悪いことも、毎日何かが必ず起きる。きっと「普通の感覚」ではないかもしれないけど、そういう毎日が僕にとっては幸せなことなんだと思う。

 

すごい……松浦さんの生々しい言葉が胸を打つ!超オススメです。(・∀・)♪

 

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破壊者 ハカイモノ

破壊者 ハカイモノ