「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「恋愛制度、束縛の2500年史 古代ギリシャ・ローマから現代日本まで」(鈴木隆美)

f:id:lp6ac4:20190712060051j:plain

 このタイトルがスゴいよね〜!「恋愛制度」!?「制度」ってナニ!?(・_・;)!?

 

「【悲報】日本人、恋愛もガラパゴス化していた?!――西欧の恋愛制度が確立していく歴史を追うとともに、それが日本に輸入され、いかに変質したのかを、気鋭のプルースト研究者が軽妙な筆致で綴る」そのエッセンスを紹介しよう。

 
・言われてみれば当たり前ですが、フランスでは「愛」は、恋人になってから勝手に生まれるものではなく、子供の頃に親から「ジュテーム」という言葉とともに教わるものです。そうやって親から、祖父母から受けた愛情がいっぱい詰まった表現があり、大人になってから恋人対して、その同じ表現を使うのです。
 
日本では愛情は「愛している」という言葉で表現されることはないのです。現代日本語の語感からすると「愛してる」というのは重い響きをもつけれど「大好き」「可愛い」はもっと軽いものだと思われます。「ジュテーム(私はあなたを愛してる)」が表現するような「フランス的愛」、さらにはヨーロッパにおける「愛」と日本における「愛」とは、言葉の用法が違い、使う場面が違うので、必然的にその意味もどこか違ってくる、ということになります。この差はどこにあるのでしょう。ヨーロッパの愛と日本の愛では、何がどう違うのでしょうか。なぜそのようなことになったのでしょうか。
 
恋愛輸入論というのがあります。「恋愛」という言葉は明治時代に「love」や「amour」の訳語として作られたもので、それ以前には日本には言葉としては「情」「色」しかなかった。だから「恋愛」は、舶来品の一つ、ヨーロッパからの輸入されたものだ、という説です。やはり日本語の「恋愛」という言葉は、ヨーロッパの「love」や「amour」とは違う意味を持つのです。そこで、この違いを比較文化論の枠の中で、歴史を追いながら見てみよう、というのがこの本の目的です。ヨーロッパの「恋愛」と日本の「恋愛」はどう違うのか。どういう経緯でそうなってしまったのか。
 
・一般に欧米文化の基層は、ヘレニズム文化とユダヤキリスト教の世界観が複雑に入り混じり展開していたたものです。恋愛も当然その文化の経道のうねりの中で練り上げられていくコンセプト、あるいは制度である、ということになります。ここで重要なのは、それが「制度」であるということです。「制度」とは陰に陽に私たちのあり方、気のもちようさうらも規定してくるもので、ある種の規範です。平たく言えば、「〜だと思わなくちゃいけない」というプレッシャーですね。それは無意識のレベルにも根を張る心理的束縛です。これは古代ギリシャから現代日本に至るまで、実に多様な形で存在してきました。本書は、そのような恋愛制度の歴史、その囚われの歴史を、2500年のスケールで眺めてみよう、という試みです。
 
古代ギリシャのある地域では、立派な成人男性は今でいう「ゲイ」でなければいけませんでした。立派な少年は立派な大人と寝るのが普通だったんですね。そして、大人になれば少年を愛するのが普通だった。立派な男だった。男とはそうあるべきだった。そんな歴史があります。こんな考え方は、今の価値観からするとバカバカしいわけです。
 
古代ギリシャではデートの際に持っていくのは花のかわりに「鶏」だったんですね。鶏をあげるのは、告白の一般的な形式で、お目当ての少年を口説くときにはよくある贈り物だったのです。寝ても覚めても君のことがわすれられない。僕の頭の中は君のことでいっぱいだ。僕とつきあってくれ。はい鶏」という情景がいたるところにあったのでしょうか。逆に鶏をもった男が街中を歩いていれば、「お、あいつ鶏持ってるわー。これから告白しいいくぜ、足震えてるよ、かわいそうに緊張してるなー」などと見られたのかもしれません。
 
失われた統一性を求めて、恋をする。もともと一つであった。その片割れを探して恋をする。その片割れは同性であるかもしれないし、異性であるかもしれない。生意気で神に背いたから、二つに切られてしまった。そこから切り離された半身を求めて、人は恋をする。これが古代ギリシャ人が考えた恋愛の一つの理論です。性欲も愛欲も、こんなふうに神話で説明していきます。
 
古代ローマの恋愛観は、女は強い男がゲットするモノだ、という考えが基本です。まだ我々がイメージする「恋愛」というものはあまりなくて、愛といえば常に肉体関係が伴ったようで、野蛮で乱暴な軍人文化をイメージしてください。この世は戦場、力比べが全て、女も力で奪い取れ、女は戦利品だ、という身もフタもない考え方です。女性は、戦争の戦利品であり、奴隷と同じようなものでした。純潔や処女性が大事という考え方もありましたが、それは極言すると、女は「もの」だから新品の方がいい、という考え方と同じです。

 

その他、古代ギリシャ古代ローマの恋愛」「キリスト教と恋愛」「中世宮廷恋愛」「ロマンティックラブとは?」「明治期から大正期にかけて――日本における「恋愛」の輸入」「西欧における恋愛肯定論と否定論、精神分析のヴィジョン」「現代日本の恋愛」など。

 

へー!!!そうかあ!ビックリだね〜!恋について、恋愛について考えるのにいいね〜!オススメです!(・∀・)♪

f:id:lp6ac4:20190712060051j:plain