この本はいいなあ!オモシロイなあ!新書で440ページってボリュームあるよね〜!人名を通して、世界を見てみよう!
・名前は肉体、霊、 影と同等のものだとしていたのは古代エジプト人だ。 名前を記すことで永遠の存在が約束されるものとして、 記念物のそこここに象形文字ヒエログリフで残した。 そして彼らの願いのとおり、数千年の時を経た現代でも、 その人物が存在したことを世界中の人が知ることとなっており、 名前によって生き続けている。
・親は子供たちに、将来を夢見て、最良の名前をつけようとする。 あるいは、アフリカの一部地域のように、 その子が生まれたその時を忘れないために、たとえば「税金」( 税金を払いはじめたときに生まれたから) と名付けられることもあるという。
・外国人と出会った日本人は、さまざまな記録のなかで、 彼らの名前の表記を工夫してきた。 日本語の発音にない音と格闘しながら、 カナや漢字を駆使して表記を試みた。 そして次に関心をもったことが、 自分たちの名前に意味があるように、 外国人の名前にも意味があるだろうということだ。
・プロゴルファーのタイガー・ウッズTiger Woodsはの姓ウッズは「森に住む人」ということだ。 イギリスの演出家ピーター・ブルックPeter Brookのブルックは「小川」を意味する。 そのbrookに当たるドイツ語はバッハ bachだ。音楽家のバッハも同じ綴だ。彼の名の語源には「 海辺」や「心付け、おひねり」など、諸説があがっている。
・背が高いでのロングフェローLongfellow(のっぽ)、 若いからヤングYoungというくらいならまだよいが、 キャメロンCameron(曲がった鼻) やケネディKennedy(醜い顔)は、 そのような奇妙なあだ名が姓になってしまったものの代表である。
・ マクドナルドMcDonaldやマッカーサーMacArthur のようにマックMc. Macとはスコットランドの高地ゲール語で「〜の息子」 を意味する。つまり、マクドナルドは「ドナルドの息子」、 マッカーサーは「アーサーの息子」ということだ。
・「恒雄」と名付けられた子どもは、 ふだんは何も意識していないが、これがガンジス川の漢字名、 恒河由来の名前だと知れば、 人名がたどった2000年の道のりと親の願い、 希望に思いを馳せることになるのではないだろうか。
・中国ではかつ、 自分の名前が他人に知られると禍いが降りかかるとか、 他人の実名を直接呼ぶのは非礼だという考えがあったのだ。 中国人は、本名以外にいくつもの名前をもっていた。それは「 実名敬避」(相手の本名を口にするのは失礼なので避ける) の習俗による。 これは古代中国以外にも世界のあちこちでみられたというが、 相手が高貴であればあるほど、直接身体に触れてはいけない、 という考え方の延長線上にある精神的タブーである。
・ところで、アフリカ人には双子が多い。 日本の双子の出生の頻度は150件にひとり、 欧米では100件前後にひとりだが、 アフリカ内陸部になると50件に一人よりも多いのだという。
「名前」をキーワードとした世界史だね。外国人の名前をきいたときのイメージが変わるね。超オススメです!(・∀・)