この本は実に考えさせられる…。以前佐渡のトキが7羽に減り、2003年に野生種が絶滅し、 現在の約140羽(2010年現在)はすべて、中国から贈呈されたトキの子孫なのだとか。絶滅は悲しいことだけど、いっそ絶滅した方がいいのかもしれない!というタブーについて切り込んだ本なのだ!
⇒厳重に「保護」された滅菌室にしか存在しない、
絶滅寸前のカエル。
⇒周囲を軍隊に警備されて繁殖を強いられた、
地球上に2頭しかいないキタシロサイ。
⇒50億羽を200年足らずで絶滅させた張本人に
DNAから「復元」されつつあるリョコウバト。
痛々しいほどに懸命な人間と、隔離された哀れな動物を前に、ふとよぎる禁断の疑問。
「いっそ、絶滅してしまったほうが――」
人が介入すればするほど、「自然」から遠ざかっていく。
答えのない循環論法に陥った自然保護/「種の再生」テクノロジーの現場に迫る」そのエッセンスを紹介しよう。
・これらの物語は、現在、生命維持装置につながれているごく一部の動物、すでに姿を消してしまった動物と、その動物を発見し、研究し、追跡し、捕獲し、愛し、執着し、哲学的に考察し、救い出し、復活させようとする人間の物語だ。
・「動物が気の毒だ。駆け回ることも獲物を捕まえることもできない。動物園のトラはもうトラとは呼べない。やるべきことができないのだから」(ロールストン)
病室で生命維持装置で延命治療をしている病人に似ている。生きるのがいいのか、死ぬのがいいのか!生きてさえいればいいのか!そもそも生きるとは何なのか!?果たして是か非か!?答えはないけど、考えさせられる。オススメです。(・o・)!