「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「ずいぶんなおねだり」(東海林さだお)

    


ずいぶんなおねだり (文春文庫)


ココロとカラダが疲れたときには、コレ!東海林さだお氏の本が、イイ!薬とガソリンになるのだっ!!!


江川紹子氏のB級グルメ度を鑑定し、ナンシー関氏とツーハンについて語り合う。ゲイバーのオバサン客、電車内のケータイ人種を怠りなく観察し、海底温泉で有名な伊東の「ハトヤ」実態調査にのりだす。ショージ君の五感はますます冴えわたり、縦横無尽な好奇心で人間界から昆虫界までを見渡すエッセイ集」そのエッセンスを紹介しよう。


「夏休み昆虫観察日記」


・「アリ」


多くの昆虫は住所不定だ。セミもトンボもカブト虫も、トノサマバッタも。だがアリには住所がある。ところ番地だってはっきりしている。しかも土地つきである。アリは昆虫でありながら土地付き住宅に住んでいるのだ。それもこれも、他の昆虫が遊んでいるときに、休みなく働いてきたせいなのだ。アリは日曜日何をしているのだろうか。ゴロ寝、散歩、ジョギングなどをしているのだろうか。衣服も労働を旨として作られている。汚れの目立たない黒を選んでいるところはさすがだ。これがもし白だったら……。


・「カブト虫」


カブト虫は大物と言われている。なりが大きい。押し出し、態度も堂々としている。全身黒ずくめ、風貌もいかめしい。動きも大物らしくきわめて鷹揚だ。しかしこれらのいかにも大物らしい行動は、すべて小心を隠すための演技である、ということは、いまだに人に知られていない。カブト虫は大変な小心者なのである。ノミより小心者である。カブト虫の目を見ると、そのことがよくわかる。体格のわりに目が小さく、目に光がなく、ツヤがない。いかにもオドオドした小心者の目である。


「キリギリス」


キリギリスには何の罪もない。イソップに目をつけられたのが不幸の始まりだ。働き者のアリと対比させられるための、スケープゴートとして選ばれてしまったのだ。ただ鳴いていたのに「バイオリンを弾いて面白おかしく遊んで贅沢に暮らしている」という罪状を強引にでっちあげられ、引っ立てられてしまったのである。


「蚊」


蚊に刺されると、大抵の人間はカッとなる。蚊という名前はそこからきたとさえ言われている(ような気がする)蚊一音説は、もう一つある。昔の人は、今の人以上に蚊の防戦に忙しかったので、いちいち長い名前を言っていられなかったという説である。突然、蚊に刺された人は思わず「この、蚊ん畜生め」といって刺された箇所をたたく。このとき、蚊の名前が例えば「るりかたびろおおきのこむし」という名前だったらどうなるか。刺されるたびに、「この、るりかたびろおおきのこむしめ」「この、るりかたびろおおきのこむしめ」といい続けなければならず、それを避けるためだった、という説はかなりの信憑性がある(ような気がする)


「ホタル」


昆虫のお尻が光る……これは大変なことだ名古屋弁で言えば、どえりゃーことだ。もし昆虫新聞が発行されていたとすれば「昆虫界に初の照明装置!」「昆虫界のエジソン現わる!」ということになり、昆虫界の大偉業となって、国民栄誉賞はまちがいなかったはずだ。どういうメカニズムで光るのか。どういう目的で光るのか。名古屋弁で説明すると、「発光物質ルシフェリンが、アデノシン三燐酸(ATP)によってエネルギーの供給を受け、ルシフェラーゼという酵素の働きによって酸素と化学反応を起こし、オキシルフェリンという物質に変わるときに発光するだぎゃー」ということになる。せっかく名古屋弁を使用したのに「だぎゃー」のところだけしか名古屋弁にならなかったが


その他、「B級の鉄人との対話=里見真三」「なんとなくクラシテル」「プロ野球消化試合の実態」「ハトヤ大研究」「草井是好氏のクサイ話=小泉武夫教授」「イチャモン=スリッパ、ティッシュ、ノブ」「コンビニ日記」など。


はー!今日も、リラックマリラックマ!オススメです。(・∀・)


    


ずいぶんなおねだり (文春文庫)