酒場のギター弾き 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「お前はただの現在にすぎない テレビになにが可能か」(萩元晴彦 村木良彦 今野勉)

このタイトルがなんか、哲学的だねえ。(・∀・)

旧制松本中学で甲子園に出場し、日本初の独立系テレビ番組制作会社・テレビマンユニオンを創立した萩元晴彦氏。大崎善生さんの『聖の青春』を映像化した人物、ということを聞いて読んだのがこの本。いいなあ。骨があるなあ。ときどきこういう文章を読みたくなるなあ。
 
「68年の成田空港反対闘争に端を発したTBS人事闘争。3人のテレビマンは報道の自由・公正を求めた闘争の歴史を克明に記録した。テレビの本質を問うた書物として、再刊が望まれていたテレビ論を吉岡忍の解説を付して復刊」そのエッセンスを紹介しよう。
 
 
・本書の冒頭、奇妙なモノローグで始まる。本人たちによる長文のプロフィール。「己れとは何か」をまず問うた68年の流儀とも言える。まず自分を名乗る。まるで源平合戦のものふの流儀に似ている。当然のことながら、1968年でそれは終わっている
 
萩元晴彦村木良彦を識る。彼の協力を得、三名の女子学生をインタビューに起用して「あなたは…」を制作。829人の人々に同一の〈問いかけ〉を行ったこの作品は、芸術祭奨励賞を受賞した。
 
いま一番ほしいものは何ですか
月にどの位お金があったら足りますか
もし総理大臣になったら何をしますか
あなたの友人の名前を仰言って下さい
天皇陛下はお好きですか
戦争の日を思い出すことがありますか
ベトナム戦争にあなたも責任があると思いますか
では、その解決のために何かしていますか
昨日の今頃あなたは何をしていましたか
それは充実した時間でしたか
人に愛されていると感じることがありますか
誰にですか
今あなたに一万円あげたら何に使いますか
祖国のために闘うことが出来ますか
いのちを賭けてもですか
あなたのとって幸福とは何ですか
ではあなたは今幸福ですか
何歳まで生きていたいですか
東京はあなたにとって住みよい町ですか
空がこんなに汚れていてもですか
最後に聞きますが
あなたはいったい誰ですか
 
村木良彦「所詮、〈生きること〉は死ぬまでの暇つぶしでしかない」とりあえずいま、私にとってテレビジョンとは、テレビジョンとは何かを問い続けることであると答えておこう。そのことで、私とあなたあるいは私以外のものとの〈関係〉を変えるような方法こそがテレビジョンではないか。従って、ある思想や観念をテレビで表現するのではなく、どういうテレビジョンをつくるかということがひとつの思想であるような〈方法〉である。
 
 
今野勉。秋田生れ夕張育ち。東京に来て感じたこと。働いている人間がいないこと(ぼくの常識では、働くとはこれ肉体労働にして生産労働のことなり)ぼくの祖父ならびにぼくの父の労働がこういう無為徒食の連中を食わしていたのかと改めて愕然とする。
 
テレビジョンはフィクションもノンフィクションもひっくるめてすべてドキュメンタリーである。ドキュメンタリーそのもの。かくて、ぼくのテレビジョンにとって次の仮説が採用される。テレビジョンは〈時間〉である。
 
 
「わたしは……新人歌手(藤ユキ)」は、心に残る。今、テレビを観ない人が増えている中、あらためてテレビとはなんぞや!?を考えるのもいいかも。オススメです。(・∀・)