酒場のギター弾き 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「家康、江戸を建てる」(門井慶喜)

   


家康、江戸を建てる


この本はオモシロイ!今年のベスト10間違いなしだろう!(・∀・) よく言われていることだが、江戸は当時100万都市で、世界一の都市だった。しかし、徳川家康が幕府を開いた時は、江戸はトンデモナイ閑散とした荒れ地、湿地だった。それを家康が江戸を作ったのだ、江戸を建てたのだっ!!!


徳川家康が関東の荒れ地に、いかにして現在の東京まで繋がる街づくりの基盤を作り上げたかを、世代を跨(また)いだ大きなスケールで描く連作集。利根川の東遷を手がけた伊奈忠次や、慶長小判で貨幣流通を革新した後藤庄三郎など、家康の命を受けて大計画を立案、実行した技術職の家臣たち。平易な文体で書かれた「プロジェクトX」的な現場目線の物語」そのエッセンスを紹介しよう。


小田原城落城から一ヶ月もせぬ八朔(八月朔日)の日に、家康は、はじめて江戸に足をふみいれた。江戸城を観たとたん、「……こいつは」家康は、呆然と、(わしは、たしかに乱心しておったかもしれぬ)「これは、まるで荒れ寺のようじゃ、のう。いま必要なのは城内の地ならしではない、江戸そのものの地ならしじゃ。城など。あと、あと」


・大手門から城内に入り、本丸にのぼる。小高い丘になっているため、そこからは、周囲の風景は一望できた。「これが、江戸じゃ」灰色の土地。としか、言いようがなかった。
江戸城の東と南は、海である。いまは干潮のため砂地が露出しており、竹の棒が何十本も建てられている。魚や海苔のたぐいを集めるのか。いずれにしても、沿岸のところどころに藁葺きの民家がさびしそうにかたまっているのは、漁師町にちがいなかった。西側は、茫々たる萱原。北は農家がぽつぽつとはいえ、せいぜい7,80軒くらいではないか。駿府や小田原の城下町とくらべると、500年、600年も発展をわすれたような古代的な集落でしかなかった。


「ここを、わしは大坂にしたい」と家康は、途方もないことを言った。家臣たちは、泣き笑いのような顔になった。無限の富があつまり、数十万の市民が集まりあらゆる最新技術や文物があつまった豊臣政権の事実上の首都。世界に冠たる国際都市。そんな大坂をめざすなど、じゃこが鯨をめざすよりも、(あり得ない)そんなふうに思ったのだろう。


「江戸の地ならしを差配すべきは、この男じゃ。伊奈忠次、まかり出よ。そのほうに命じるのは、江戸の街そのものを築く基礎づくりじゃ。たかだか城ひとつ建てるより困難な、しかし遥かに名誉な仕事である。よろこんで受けよ」


「流れを変える」「金貨(きん)を延べる」「飲み水を引く」「石垣を積む」「天守を起こす」など。


これは歴史の教科書、副読本にするべきだね。超オススメです。(・∀・)


   


家康、江戸を建てる