またまた大好きな野球本。澤宮優さんっていい文章を書くんだよねえ〜!(・∀・) スポットライトの当て方が、また抜群なのだっ!!!
「巨人には、つねに最強の二番手陣があった。そのモチベーションを取材。後藤、山本、上田、村田、斉藤、栄村、岡田ら12選手の人生」
なかでも大好きだった後藤孝志選手を紹介しよう。
・V9時代の巨人の強さの要因は、王貞治、長嶋茂雄などのスター選手だけでなく、控え選手の層の厚さにある。当時は陰から支える選手として、上田武司、萩原康弘、山本功児などがいた。彼らは優勝を決めるとき。勝負時でしばしば貴重な一打を放った。巨人には、いつレギュラーを取ってもおかしくない力を持った選手たちが、ベンチに控えている。強い組織はそうやって成り立っている。ふだんあまり語られることのない「陰」にいた選手たちに光を当てたいと思ったのが本書執筆の動機である。
・「全身全霊全力の発するプレーヤー 後藤孝志(巨人軍三軍外野守備走塁コーチ)」
「この世界は二種類の選手がいると思います。僕が巨人で見たのは、ホームランを打って打点を稼いで給料が上がるという人。もう一つは徹底的にチームのために自己犠牲して。守ったり、バントしたり、チームのほうにスピリットを傾けて給料を上げていく人。前者は三割打てなくなったり本塁打を30本打てなくなった時点でぱっと消える。でも後者は細く長くできるようなきがする」
後藤が指導する選手たちは後者のほうである。だから彼は選手に言う。
「ここからレギュラーを取るなんて目標が大きすぎる。モザイクがかかりすぎている。まずいっぱしの補欠になってみろ。その道筋は立てられるぞ。俺はいっぱしの補欠だったからわかるんだ」
その他、「巨人のイチロー 斉藤宜之」「王に長嶋に「福」を与えたスーパーサブ 福王昭仁」「巨人軍もう一人の四番打者 山本功児」「俊足強肩「守りのリリーフ」二宮至」「アクシデントと「ドームの黒豹 栄村忠広」」「1と3に挟まれた強打の外野手 上田武司」「V9の伏兵「おばけミート」萩原康弘」「落合にもらった五分間 仁村薫」「巨人で蘇ったドラ1大型内野手 鴻野淳基」「工藤に育てられた信頼の第二捕手 村田善則」「サイドスローに転向した「新勝利の方程式」岡田展和」など。
こうして見ると、ジャイアンツの選手層って厚いねえ。そして縁の下の力持ちの選手たちに感謝。オススメです。(・∀・)