この猫は、いや……この本は、オモシロイ!夏目漱石の「吾輩は猫である」や、カフカの「変身」の現代版のような本なのだ。(=^・^=)
「大学で研究する和弥は、恩師の娘を嫁に貰った。ある日、帰宅すると妻が猫になっていた。実は和弥は、古き時代から妖(あやかし)に立ち向かう蘆野原 (あしのはら)一族の若き長。幼馴染みで悪友の和泉と、猫になった娘とともに、文明開化の世に出没する数々の災厄を防いでいく。陰陽師や祓師のような力を 持つ主人公と悪友との軽妙なやりとり、猫になったときの記憶がない美しい妻との叙情的な日常を、丹念な筆致で描く幻想小説」そのエッセンスを紹介しよう。
・家に帰ると猫がいた。まるで妻がそこで「お帰りなさい」と言っているかのように。
「おっ」どこの猫だお前、と声を掛け、近づいても逃げようともしない。それどころか上り口に腰をかけた私に身体を摺り寄せてきた。人懐こい猫だな、と思いながら、奥に「ただいま」と声を掛けた。
けれども妻は出てこない。返事もない。妻の返事がない代わりに猫がにゃあと鳴いて私を見上げる。身じろぎもしないでじっと私の眼を見つめる。「お前」思わずそう呟くと猫が頷いた。いや頷いたようなきがしたのだ。それで、ああ、そうかと納得したのだ。
これは妻なのだ。猫になった妻なのだ。「何故猫などに?」問うても、にゃあんと鳴くだけで答はしなかった。そういうものか、と納得してしまえば受け入れるしかなかった。
現実に起きてほしいなあ!!!ニャンコファンにオススメです。(=^・^=)