「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「すばらしき母親の物語 母と子の感動42編」その3(有吉忠行)

この本は、今年読んだ本の中でベスト3に入るだろうなあ。先日の続いて第三弾を紹介しましょう。このプレゼンはスゴイぞー!(T_T)


【土下座でわびた、いじめっこの母親】


知人の教師(四年生担当)の教室に一人の母親が駆けつけて来られました。30代半ば、普段着のままです。やがて授業が終わり、教師は廊下へ。ところがその母親は「すみません。ちょっと、うちの幸介に会わせてください」と教師に頭を下げ、教師と入れ替わりに教室に入ると同時に、まさに土下座。そして、はっきりした声で話し始められました。


「皆さん、私は幸介の母親です。この前の日曜日、このクラスの数人の方の家を訪ね、何度も頭を下げて、幸介のことを確かめました。幸介が、このクラスで四人くらいの方へ、いじめをやっているということです」


ここまで話させると、母親は、「幸介、ここへ来なさい」と、わが子を呼び寄せ、きっぱりした口調で言い続けられました。


「あなたが、これまで、いじめた方のお名前を一人ずつ呼んで、これまでのことを謝り、それから、クラスみんなにも謝り、先生にも、謝り、みんなに、これからは二度としないことを、ここで、はっきり誓いなさい。あなたが誓うまで、私は、ここを動きません」


幸介くんは、素直に五回「ごめんなさい。もう、しません」と言いながら頭を下げました。そのとき最後に土下座の母親へも同じことを言って頭を下げました。すると母親はまだ土下座のまま、急に涙を流しながら。話を続けられました。


「皆さん、本当にすみませんでした。特に四人の方、申し訳ありませんでした。幸介にこんなことをさせた責任は私にあります。人は一人ひとり姿や考え方や、することは違っても、人間であることはみんな同じ。これを忘れて勝手に人を差別したりしたら、幸介はもう人間でなくなる。このことは、何度も何度も言い聞かせてきました。でも幸介はいつも、わかっていると言いながら、何もわかっていなかったのです。今、このクラスの中で幸介が一番最低の人間です


でも、私の子供ですから、どんなことがあっても、幸介を信頼しながら、人を差別しないような人間に必ずします。子供の心を育てるのは親の責任ですから。


私は、幸介にいじめられた方のことを思うと、いつまでも涙がとまりません。心からおわび申し上げます。差別のないクラスを作ってください。そして、もし、幸介がさっき誓ったことを守れるような人間になりましたら、幸介ともつきあってやってください。お願いします


…映像が浮かぶなあ…スゴイ母親だなあ…どんな教育よりも母親を悲しませるというが一番キツいしツラいよねえ…。
珠玉の42編。どれも涙を誘う。超オススメです。(T_T)