「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「江夏豊の超野球学 エースになるための条件」(江夏豊)

私が子どもの頃のプロ野球のヒーローといえば、ジャイアンツは王、長嶋。タイガースは、江夏、田淵だった。(・∀・)カルビープロ野球スナックのカードアルバムもこの4人だったのだ。


さて、この本の著者は、あの江夏の21球江夏豊である。

不世出のサウスポー、待望の技術的自叙伝。先発完投型の大黒柱として、さらには「優勝請負人」のリリーフエースとしてマウンドで何をすべきかを考え抜いたサウスポーのストイックなまでの投手論」そのエッセンスを紹介しよう。


・「週刊ベースボール」誌上において2002年4月から2年間連載した「超野球学」をまとめたものである。落合博満君が打撃編を、私が投手編を担当した「エースになるための投手論」である


・以前はグラウンドでキャッチボールで投げられているボールの軌道を見るだけでそれが投手のものが野手のものかは一目瞭然だった。投手の投げるボールには野手のものにはない粘り強さと美しさがあった。ところが、最近は投手の投げたボールが野手のものなのか判断がつかない。これは深刻な問題だと思う。


投手になったら投げること、投げ込むことを恐れてはいけない。肩が消耗していくのは、それだけ使い込んでからである。昔から言われていることだが、球数が増えて疲れも出てくると、かえって余分な力を抜けて、ボールが走りだす。投球フォームも無理のないものになっていくのだ。そして違和感によって知った恐怖心を忘れずに、しっかりと体のケアをしながら1年でも長く投げ続けよう。


・8年にわたってリリーフとしてマウンドに向かう時、必ず心に誓っていたのは「絶対にもう一度、先発としてきれいなマウンドに立ってやる」ということだった。先発に復帰したいという強い執念が、リリーフ投手としての私を支えていたのである。将来性豊かな若い投手諸君、はじめからリリーフ投手を目指すな。リリーフ投手とは、自ら目指す仕事ではなく、いつか適正と運命によって与えられる仕事なのである。


リリーフがリラックスできるのは、1日20秒。それも、自分が登板してチームの勝利を確保した時に限られる。つまり最後の打者を打ち取り、守備位置から戻ってくるチームメイトと握手を交わしている時間だ。その儀式が終わってダグアウトに戻った時、気持ちの上では次の試合が始まる


・18年間のプロ野球人生を振り返った時、すべてがうまくいったという満足感や、もうやり残したことはないという達成感を抱くことはない。「甲子園に出場した経験もなく、満足にストライクさえ投げられなかった投手が、よくここまでの成績を残せたものだ」という感慨に浸ることはある。そんな、松坂に比べれば素質もセンスも乏しかった江夏豊を育ててくれたのは、常に「野球がうまくなりたい」と考え、どんな物事にも興味を持って接してきた江夏豊自身だったのではないかと感じている。


特に、「1年間にアウトローを何球投げ込めるか」「リリーフエースは目指すものではない」は深い…。改めて、江夏はスゴイ投手だったねえ。野球ファン必読、オススメです。(・∀・)