「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「洲之内徹が盗んでも自分のものにしたかった絵」(洲之内徹)


3年ほど前に箱根のとある美術館で出会った長谷川潾二郎氏。それまで氏の作品は知らなかった…。その猫の絵は猫好きをうならせるケッサクであった。


MUSEUM〜『あの猫に会いたい 長谷川潾二郎展』(小田原)
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20120123


さて、この本は著者が盗んでも自分のものにしたかった宮城県立美術館「洲之内コレクション」の絵画集。なかでも表紙のこの絵には釘付けだよねー!(・∀・)



長谷川潾二郎「猫」 1966 30.9×40.9 油彩・麻布



「猫」の絵だけは、六年前にもう完成していた。私は譲ってくださいと頼んだ。すると長谷川さんは、まだ髭がかいてないからお渡しできませんと言った。言われてよく見ると、なるほど髭がない。「では、ちょっと髭をかいてください」と私は重ねて頼んだ。
すると長谷川さんはまたかぶりを横に振って、猫が大人しく坐っていてくれないと掛けない、それに、猫は冬は球のように丸くなるし、夏はだらりと長く伸びてしまって、こういう恰好で寝るのは年に二回、春と秋だけで、だからそれまで待ってくれ、と言うのであった。


長谷川さんの絵のかき方を十分承知しているつもりの私も、これには驚いた。なにも髭をかくのに猫全体がそっくりこれを同じ形になるのを待つことはあるまい。そうはおもったが、穏やかなようでも言い出したら聞かない長谷川さんである。それに猫は猫でもただの猫とは違う。長谷川さんが家族同様の待遇をしている猫なのだ。たかが髭くらいなどと軽々しいことを言ってはならない。私は言われるとおり待つことにした。


いや〜ケッサクだね!このポーズ!この表情!このアングル!私も盗みたいわー! 実物は宮城に行って観ることにしよう。オススメです!(・∀・)