「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「鳶(とび)上空数百メートルを駆ける職人のひみつ」(多湖弘明)


私が初めて務めた会社は建設資材、いわゆる「足場」を扱っている会社であった。専門的に言うと建設用仮設機材というのだが、お客さんはプラントメンテナンス業者、ゼネコン、橋梁、塗装業者、鳶さんたちだった。


そのおかげで数多くの建設中の現場に行くことが出来た。横浜ベイブリッジ、成田空港第二ターミナル、東京港湾岸道路(アクアライン、など。今では懐かしい思い出だ。

さて、この本。普通のビジネスマンはあまり会うことのないであろう、超高層建築の現場で働く現役とび職人が撮った! 語った! 命をかけて働く、鳶たちの実態の本なのだ。本を読んで昔の現場や鳶さんを思い出して、とても懐かしくなった。そのエッセンスを紹介しよう。


・仕事中の事故で、一人の仲間が目の前でこの世を去りました。鳶の仕事とは?高いところで何をしているのか?どのような作業が命を落とす危険を伴うのか?私は鳶を通じて「自分ができることは何か」を自問自答し、『鳶の仕事を写真と文章で表現する』という活動をすることで、仲間の生きた証、自分自身の生きた証を残し、存在意義を見出そうと考えました。

自分の言葉で伝えておきたいことがある。一人でも多く、私を通してとび職を知ってもらいたい。この目で見たもの、感じたことを、みなさんの鳶を知る術としてほしい。今まで誰も伝えることのなかった、街の鳶がこの本の中にあります。本日も、ご安全に!



・一昔前、その仕事内容の凄まじさから、現場では『鳶は神に近い存在』ともされていました。どの業者よりも先に工事現場に乗り込み、仮囲い(工事現場の柵)を組み、建物の骨となる鉄骨を建てるためのタワークレーンを組み、鉄骨を組む。命を落とす危険のある場所でさえも真っ先に乗り込み、他業者のために足場を組んでいきます。どこの現場においても、常にとび職人が工事を先行していきます。つまり、『鳶がいないと工事が進まない』ということなのです。


「足場とは、いかに材料を少なく、早く、美しく組むか。そして一番重要なことは、足場を使う業者が使いやすく安全であるか」何もないところにイメージしたものを組み上げる…そう、足場とは芸術作品なのです。一流の足場とび職人は芸術家と同じです!街を見渡して目に入ってくる様々な足場…あれらは身近な芸術作品。この経済大国・日本の街の至るところに芸術作品があふれているのです。



その他、「鳶=ドカタ」ではない、「高所で作業をする恐怖」「鳶の人間力

足場の仕事のおかげで「足場の組立て等作業主任者」「計画作成参画者」「フォークリフト運転免許」「有機溶剤作業主任者」「乙種第四類危険物取扱者などの資格を取ることができた。いまから思うと人生の「足場」が出来たのかも。縁の下の力持ち、鳶さんの世界へようこそ!オススメです。(・∀・)