「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「持駒使用の謎 日本将棋の起源」(九段 木村義徳)

このブログでも何度も紹介しているように、「将棋」と「将棋指し」が大好きである。(・∀・)

日本将棋は世界各地の将棋にくらべてきわめて特異である。まず①持駒使用がほかになく、最大の特徴であることに異論はないとおもうが、そのほか②駒の名前、③駒の数、④駒の型、⑤多種駒成り、⑥かんじんな駒の動きも他と異なっている。本書はこれまで不明であった日本将棋がいかにして出来上がったかをほぼ解明している。少なくとも持駒使用がいかにして改良されたか?そのエッセンスを紹介しよう。


将棋は近年までトバクであった。将棋ファンにとっては都合がわるいが、史実として認めなければなるまい。ゆえに広範囲に流行し、技術も進み、それにつれて改良もされ、現在に至っているのである。


・現将棋の古代インドのダイスつき四人制チャトランガは、空振りという欠点がある。駒を取られて少なくなれば出た目にあたる駒がなくなる場合が生じ、トバクの雰囲気を損なってしまう。もう一つの欠点は負けた人はすべてが終わるまで待たねばならない。勝負師にとってつらい待機に違いない。二人制なら駒がふえるから空振りは途中まで少なくなる。なによりも負けになったら「もう一番」とできる。これらは改良と言えよう。


・それぞれ各民族の身近なものに駒の名前が変わっている。馬はどこにでもいるから翻訳で通用する。しかし、象はイスラム圏と東南アジアと中国までである。日本に来てからは「銀将」に代わり、ヨーロッパでは「ビショップ」(皇位の聖職者)に変わり、モンゴルでは「らくだ」に変わっている。


持駒使用は敵味方同型の駒型を必要条件にしている。敵味方が全く同型だから相手の駒を取って自分用に使えるのである。チェスや象棋のように敵味方色わけであったらそのような発想も不可能であったろう。


へえ〜!「平安将棋」ってやってみたいなあー!オススメです。