「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「「縮み」志向の日本人」(李御寧=イー・オリョン)

この本はお世辞抜きで感動したっ!!!(小泉純一郎ふうに)

小さいものに美を認め、あらゆるものを「縮める」ところに日本文化の特徴がある。世界中に送り出された扇子、エレクトロニクスの先駆けとなったトランジスタなどはそうした「和魂」が創り出したオリジナル商品であった。他に入れ子型・折詰め弁当型・能面型など「縮み」の類型に拠って日本文化の特質を分析、“日本人論中の最高傑作”と言われる名著」そのエッセンスを紹介しよう。


・日本語では拡大の接頭語よりも、縮小をあらわすほうがもっとも一般的なことばづかいになっています。それが日本人の愛用する「豆」であり「ひな(雛)」であるのです。丸い球体の豆は凝縮した宇宙の形です。一寸法師を豆太郎、豆助ともういうごとく、豆本、豆自動車、豆人形、豆皿、豆電球になるのです。ひな人形、ひな形、ひな菊など。日本は何か作ることを細工といいます。作るということはすなわち細かく縮小する工作なのです。ですから体裁などがぶざまだったりすると「不細工」というのです。


・世界で最も短い形式、たったの十七文字に広い宇宙と四季の時間をあらわした俳句「縮み志向」をあらわす日本文化のテクストなのです。石庭で姿を消した花は生け花となり、木は盆栽となって室内にやってきた。


・日本人の「縮み志向」がもっとも単純かつ直接的な形であらわれたのが、あの扇子です。世界のどこでもウチワのカタチをしていたのが、日本に伝わったとたんに、その歴史に一代革命をもたらした折畳式の扇子が創案されたことにあるのです。だれもあの平たいウチワを畳んで縮めようとは考えませんでした。それは日本特有の文花構造を生み出す「縮み志向」を意味しているのです。日本人は頭だけでなく、手で考え手で見るのです。いわば手の中に入れられないものは、「手にあまる」ものとなり、どうも「手に負えない」のです。


こけし」は人間の姿から手と足を省略したもののように、漢字の手足を切って単純化した文字を作り上げたのが、あのアイウエオなのです。阿から可を切り捨てて「ア」とし、伊から「尹」を削って「イ」としたのが日本の文字です。


「今日は」「今晩は」というあいさつ語にしても、「今日はお天気ですね」「今晩はいい夜ですね」が、「どうも」の場合と同じく本体がみな切り捨てられているのです。もっともはげしいものが「只今」です。


弁当とは食膳をもっと小さい箱の中に縮めたものです。日本では「詰める」ということばは、いろいろな日本的含蓄性に富んだ意味を持つ術後として使われているのです。集まることを「詰め合う」というでしょう。ある場所にはりつくことを「詰める」といい、そこに「詰所」ができます。またクライマックスを「大詰め」といいます。だから詰めることができないものは、つめられないもの、すなわち「つまらない」ものになってしまうのです。


・日本文化は、やはりなんといっても刀の文化ですから背信「裏切り」といいますが、あれは刀で後ろから切りつけるものですね。「切味」「切身」「切盛」など、そして「助太刀」とか「真剣」…いくらでもあります。座談会や解説でも「✕✕を斬る」なんですね。


・日本社会には「✕✕を励ます会」という時には縮みの正座文化を利用するのです。つまり、頭にはハチマキを巻き、肩にはタスキをかけ、下にはフンドシを締める。キュッと身体を縮小させると、逆に力が湧き上がって、精神が落ち着いてくる。「取締役」は社員を「取って締める」役なんですね。


なるほどー!だから「カラオケ」「就活」「電卓」「特急」など縮めている略語が多いのはそのせいかー!実にオモシロイ。超オススメです。(・∀・)