「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「居酒屋ぼったくり」(秋川滝美)


いい本に出会いました。まるで昭和の人情ドラマのような小説。おもわず映像が浮かんでくるようなストーリー!(・∀・)


「東京下町にひっそりとある、居酒屋「ぼったくり」。名に似合わずお得なその店には、旨い酒と美味しい料理、そして今時珍しい義理人情がある―旨いものと人々のふれあいを描いた短編連作小説、待望の書籍化!全国の銘酒情報、簡単なつまみの作り方も満載!」そのエッセンスを紹介しよう。


・父はよく「誰でも買えるような酒や、どこの家庭でも出てくるような料理で金を取るうちの店は、もうそれだけでぼったくりだ」と言った。でもその台詞には続きがある。


たとえどこかで見たような、ありきたりの料理であっても、ひとつひとつ丁寧に心を込めて作る。酒が呑みたい客には酒に合う料理を、飯が食いたい客には飯に合う料理を、口に入れた人が思わず笑みを浮かべるような一皿に仕上げる。それができて初めて、払った金が惜しくないと客が思ってくれるようになる。ぼったくりと言われなくなるんだ。


だが俺はまだそこまでじゃない。だから、この店の名前は「ぼったくり」でいいんだ


旨い酒と料理で、客を満足させることだけを求めて努力し続けた父。その父に倣い、美音は今日も料理を作り、酒を選ぶ。


その居酒屋には物騒な名前が入った暖簾がかけられている。店を営む姉妹と客たちの話題は、酒や料理や誰かの困り事。悩みを抱えて暖簾をくぐった人は、美味しいものと人情に癒やされて、知らずしらずのうちに肩の力を抜く。「居酒屋ぼったくり」はそんな店である。


ぜひ、映画化、ドラマ化してほしいなあ。こんな店なら毎日行ってみたい。オススメです。(・∀・)