「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「芦原英幸正伝」(小島一志 小島大志)


いや〜感動だ…。男が男に惚れる、というのはこういうことをいうのだろう…。今の私の年齢と同じ50歳で亡くなった伝説の天才空手家・芦原英幸空手バカ一代の後半のヒーローの実像とは!?
生前、ただ一人だけ取材を許された著者による魂の評伝完成!そのエッセンスを紹介しよう。



芦原英幸という人物は、私にとって極めて特別な存在だった。唯一無二、最大の「恩人」であり、究極最強の「武道家」、かつ「尊敬」するに足る人間は芦原英幸しかいないと。名誉、地位。芦原は、素手による闘争の強さはもちろん、武器術においても最高のレベルを維持し、なおかつその他、金銭、名誉、あらゆる強さを身に付けていた。実に稀有な存在と言える。


「空手や格闘技の世界なんて狭い狭い。まるで子どもの遊び場のような世界ですけん。芦原は空手の先生などと呼ばれて一生を終わろうなどと考えたことは一度もありません。この世の中、もっともっと挑戦するに値するものはいくらでもありますけん。空手の芦原なんて言われているうちは、いつまでたってもヒヨッ子ですけえ」


波瀾万丈の人生を歩んだ芦原だが、彼の生涯はあまりにも短すぎた。芦原の死はまさに青天の霹靂だった。天下をとるべき人間が、想い半ばでのたれ死んだのだ……。それが私には、あまりに悔しく。悲しく、そして無念だった。1980年代、芦原は自らの「夢」を一つひとつ着実に現実にしつつあった。もしーあと十年芦原が元気でいたならば、空手界はもちろん武道界、格技界は必ず大きく変わっていたに違いない。


・芦原が逝って既に二十年近い歳月が流れた。未だに芦原の伝説・武勇伝は生き続けている。未だに芦原の敵も「この世界」には生きている。


・「大山さんが最も認めて最も可愛くて、しかも最も怖くて最も遠くに置いておきたい。それが芦原さんなんですよ。(大山)総裁は強い人が好きですから。強さでは芦原さんが一番。総裁は強い人を可愛がるから芦原さんが一番可愛い。しかしプライドがある大山さんは、自分より強い人を認めない。でも芦原さんは自分より強い。だから怖がる。心強いけれど、怖い相手だから近くに置いておきたくない。大山さんと芦原さんの関係は、これで全て表せるんですよ」


その他、大山倍達が震え上がった最後の支部長会議と破門の真相」「芦原門下生クーデター騒動と正道会館の誕生」「中村忠暗殺未遂事件と拳銃の刺客返り討ち事件」「知られざる究極のサバキとは?」など。


誰よりも強く、破天荒で、そして優しかった天才空手家の真の姿とは?今年読んだ本のベスト3に入ることは間違いなし。超オススメです。絶対読むべし!