「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「大山倍達の遺言」(小島一志 塚本佳子)


私が尊敬する人物の一人、極真空手の創設者であり、空手バカ一代大山倍達氏。早いねえ、マス・オーヤマが亡くなって20年になるんだねえ。


さて、この本、10日間くらいかけてじっくり読みました。実に面白い。まるで戦国時代のような、そして政治家の覇権争いのような実話である。


極真会館の大分裂騒動の真実とは?528ページに及ぶ渾身ドキュメント!総裁・大山倍達の死後、散り散りに割れた世界最大の実戦空手団体極真会館。 関係者たちの膨大な証言をもとに、その分裂騒動のすべてを明らかに! 衝撃の真実が次々と浮かび上がる……。全空手関係者&格闘技ファンの度肝を抜く、超大作ノンフィクション完成。稀代の空手家の遺志は、いかにして踏みにじられたのか?」そのエッセンスを紹介しよう。


極真会館の分裂の概要を知る人も少なくないだろう。ただ、当然その裏には公的に発表されていない泥沼劇が存在する。本書は、その軌跡を克明に綴った極真会館分裂劇の真実」でもある。分裂直後から現在に至るまで、分裂した各組織は異口同音に「大山総裁の意志を受け継いでいるのは我々の組織である」と胸を張る。大山倍達の意志」がどこにあるのか。いったいなんなのか?分裂劇の内情を知ることで、見えてくることは少なくない。


ーなぜ、密葬で発表されるまで、遺言書の存在を支部長たちが知らされていなかったのか。
ーなぜ、支部長たちの意見を聞かずに、密葬の場で後継者の発表がなされたのか。
なぜ、支部長の中でも末席若輩の松井が、後継者なのか。


極真の二代目館長は、まず強くて若くなければ駄目だ。三十代で全日本大会と世界大会の優勝者であることが望ましい。また三年の間、頂点の座を守り続けて、はじめて本物の強さと言える。百人組手の完遂者であれば、なお良い。当時、この言葉に当てはまる人物は、松井章圭しかいなかった。            


・総裁のそばにおられた方なら絶対に極真空手は永劫不滅」「極真の経営に家族は関わらせない」というふたつの言葉を聞いたことがあると思います。総裁の死後に起きた分裂劇に関わったすべての人たちは、例外なく大山総裁の意志に反した裏切り者だと、そう断定できると私は思います。自分たちの立場を主張する以前に、一連の分裂劇こそが総裁の意志を踏みにじったという事実を真摯に受け止め、一人一人が反省するべきだと私は思います。


皆、それぞれ「私が正しい、あなたが間違っている」と思っている中でのコミュニケーションって難しいねえ。
分かり合うって難しい。文句なしの力作。超オススメです。(・∀・)