「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「風に立つライオン」(さだまさし)

伝説のデュオ、「グレープ」時代からだから、もう40年来のファンであるさだまさし。(・ω<)

名曲精霊流しは1974年リリース。当時私は、10歳。「♪〜去年のあなたの 思い出が〜テープレコーダーから こぼれています〜♪」は、今までに聞いたことのない曲と詞だった。小六の時に、ラジオのニッポン放送で聞いたグレープ解散コンサートは、いまでも忘れられない。

ということなので、さださんの歌は大好きなのでおそらく100曲は歌詞を見ないで弾き語りできると思う。人間カラオケなので。(・ω<) 最も好きなアルバムの一つが1987年の「夢回帰線」だ。その最後の曲が風に立つライオンだ。この歌は泣ける…。(T_T)


そしてこの本はその名曲をモチーフに書き下ろした小説なのだ。読み進むに連れて、泣けて泣けて仕方がなかった…。(T_T)

「1987 年、熱い志と明るいエネルギーを持つ日本人医師・航一郎は、恋人を長崎に残しケニアの病院に向かった。劣悪な環境で奮闘する航一郎の前に、激しい銃創を 負った少年兵・ンドゥングが現れる。心を開かないンドゥングだったが、航一郎の熱さ優しさエネルギーを受け、少しずつ変わっていく。そして、遂に医師を志すことを決意するまでにいたる。しかし、その後、航一郎に哀しい運命が訪れ――。2011年3月、医師となったミケランジェロ・コイチロ・ンドゥング」は、津波に襲われた石巻を訪れ る。そこで出会った避難所明友館のリーダー・木場に航一郎の面影を見る。木場と共に被災者に寄り添うンドゥングは、ある日、かつての自分と同じような目をした少年に出逢い……。ケニアの日本人医師から、かつての少年兵、そして被災地の子供へ。「心」のバトンが繋がった。

そのエッセンスを紹介しよう。


「ガンバレ」は人に言う言葉ではなく「自分を叱咤するときの言葉なのだ」と航一郎にあとで教わりました。なぜならば人は誰でもがんばって生きているのだから、その人に「もっとガンバレ」などと他人が言うべきではない、と言った。航一郎は、自分が悲しいとき、悔しいとき、迷った時にはいつも一人で広大な夜空に向かって叫んでいました。僕はそんな彼が大好きでした。


・ロピディン病院の中では、患者からも彼は「ミスター・オッケー」とか「ミスター・ダイジョブ」って言われるほど、なんでもすぐに引き受けるところがあったのです。彼自身の心が限界でもです。


・小学生だった航一郎が本の中のシュバイツァー博士から受け取ったバトンが、彼をアフリカにまで呼び寄せ、更に航一郎がそこで出会った狙撃兵の少年に、その大切なバトンが渡ってゆこいうとは…。人という生きものはこうして静かに志というバトンを受け継いでゆくのだと…。いえ、そうであって欲しいと私は心から願います。


・ンドゥング、被災地はある意味では悲しい戦場と一緒です。最も弱い人から守りなさい。それは病人であり、老人であり、子ども達です。マザー・テレサはそれを「愛すること」と表現しました。「大きなことなど要らない。あなたのできる小さなことをしなさい」と。そして誰でもできて、誰のためにも最も善いことは、「その人を愛することです」と。航一郎があなたにどう接し、どう話し、どんな風に周りに影響を与えたかを思い出せばいいのです。あなたはミケランジェロというファーストネームと、コイチロというミドルネームを自分で選びましたね。それはなぜだったかをいつも強く思い出してください。


・ンドゥング。航一郎が好きだった言葉を贈ります。『飽くことなく与え続けて下さい。しかし残り物を与えないでください。自分が傷つくほどに与え尽くして下さい』マザー・テレサの言葉です。


和歌子、僕は少しも怖くない。地震津波も、放射能も。それは本当。つまり、僕は僕のために日本へ行くのではなく、日本のために僕を捧げるつもりだからです。航一郎がそうだったように、です。もしも僕がここで亡くなっても、本望だ、と思いましたよ。それが航一郎と和歌子の約束だからです。なぜなら僕は医師です。「医師」とは「人間」が自らの命を懸けて、病と戦う時の呼び名なのですから。闘わない医師は医師ではありません。


「医師が患者から奪ってはいけない最も大切なものはな、命じゃないんだよ。希望なんだ。だってよ、命はその人の体の持ち物だけど、希望は心の持ち物だろ?人はよ、身体だけで生きてるんじゃねえだろ?心で生きてるんだからさ」って。私はこの言葉を聞いたときに、この人に殉じよう、と決心したのです。


…電車で読みながら、溢れる涙をこらえることが出来なかった…。そうかあ…「心のバトン」は時代を超えて、国境を超えて行くんだね…。(T_T)

この歌の主人公・航一郎は、ケニアのナクールにある長崎大学熱帯医学研究所に出向しうた柴田紘一郎医師。改めて、曲を聞くと、また涙が止まらない…。(T_T)

早くも今年読んだ本のベスト3は間違いない。超オススメです。曲も小説も、ぜひ読むべし!!!


風に立つライオン さだまさしYouTube
https://www.youtube.com/watch?v=GPvnLAKMqOg