私は格闘技はやらないのだが、やっぱり強い男が好きだ。憧れるのだ。(・∀・)
さてこの本は、伝説の「ケンカ十段」芦原英幸をはじめ、ブルース・リー、マイク・タイソン、前田日明や極真会館、正道会館、円心会館、英武館までを完全網羅。いまなお語り継がれる最強・最高の男たちのその技、伝説、人生哲学を記したもの。その中でも私の尊敬するこの人のエピソードを紹介しよう。
大山の生涯の夢は「一武道家として生涯を終える」ということだった。それが、実際には極真会館という組織ができ、その頂点に立つことになった。それは、大山の人生にとって最大の不幸であったという。その組織が彼の死後、いくつにも分裂している現状を大山が知ったら、さぞ嘆くに違いない。
大山ははっきりと言った。「組織の頂点に立った自分が嫌だった」と。大山は、何度か極真会館という組織そのものを潰してしまおうと考えたことがあったという。しかしその一方で組織を作ったなら組織対組織の戦いには負けられないという気持ちもあったと語った。組織というものを作ってしまった以上、今度は自分の組織が他の組織に負けるわけにはいかない。それが大山の考え方であった。
「強いというのだったら私と勝負しろ」そう言った大山は、まぎれもなく昭和の武蔵を目指した武道家だった。
遠藤幸吉が、「マスさんの逆立ちは二本の指、人差し指と親指でやるんだから、ちょっとアメリカにはないよ」と言った。それで、そこでやって見せることになった。
大山「空手がインチキだとう言うが、もしインチキじゃないということが分かったらどうするんだね」レスラーはうすら笑いを浮かべて、「どんなことでも協力しよう」と答えた。しかし、大山はそんなことでは我慢できなかった。「協力するんじゃなくて、私の子分になれ!」大山の強い口調に、レスラーもOKした。
テーブルの上に12本のコカコーラの瓶が並んだ。「これを全部切ることができたなら、おまえは私の子分にならなくちゃいけない。そして、ここにいるレスラーたちはおれを尊敬しなくてはいけない」と言い放った。レスラーたちは、いいだろうと首を縦に振った。
大山は12回手刀を振り下ろした。そして次の瞬間そこには瓶の頭だけが飛び、くびれた胴から下の部分だけが揺るぎもせずに立っている瓶が9本、後の残りの3本は吹っ飛んでしまった。大山の得意とする秘技・瓶切りだった。レスラーたちは「オー・マイ・ゴッド!オー・ゴッド!」と口々に叫んでいた。
やっぱりマス・オーヤマはスゴかったんだねえ。生で見たかったなあ。オススメです。(・∀・)