「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「自閉症の僕が跳びはねる理由2」(東田直樹)

昨日に続き、東田直樹さんの第二弾。あまりの感動で付箋が多すぎて、紹介したい文章が多すぎた!!!表現するこということ、表現できないことの苦しさが伝わってくる。普通って何なのだろう!?と考えさせられる。(・∀・)
 
考えてもみて下さい。生まれて一度も人に本当の言葉を伝えたことのない人間が、どんなに不安を抱えながら自分の言葉を伝えているのかを――。皆が自閉症者に感じる「なぜ?」について当事者の気持ちをQ&Aで綴り、大反響を呼んだ前著自閉症の僕が跳びはねる理由』。高校生編となる本書では、会話ができず苦しみ、もがく中で気づいた喜びや希望が活き活きと綴られる。文庫化にあたり16歳当時の貴重な日記を初公開! 瑞々しい感性とリアルな心の声が胸を打つ」そのエッセンスを紹介しよう。
 
僕は、自閉症の世界が特別だと思ってはいません。僕たちもこの地球で人として生まれ、みんなと同じ場所で生きています。だた、みんなと様々なことが少しずつ違うだけなのです。それは、国が違えば、文化や習慣が違うことと似ているかもしれません。僕は、自閉症の人のことをもっとわかって欲しいのです。僕は、今も人と会話ができません。高校生になった現在の僕が持っている思いを、聞いていだけたらと思います。
 
(口から出る言葉に意味はありますか?)自分の意思とは関係なく出る言葉】どんな言葉がいつ出るのか、自分でもわかりません。昔覚えた絵本の一節、繰り返し聞いたコマーシャル、記憶の中で印象に残っている単語などが、勝手に口から飛び出してしまいます。口を閉じてと言われても、静かにできるのはそのときだけで、口を閉じ続けることも難しいです。話を途中で止めることも大変です。言い切ってしまわなければ気がすまないという程度の問題ではありません。どうにかなりそうなくらい、せっぱつまった感じなのです。これらの言葉は、自分の意思では収まりません。
 
・僕がわかっていることは、言葉をなかなかコントロールできないということです。相手の話が終わってから聞けばいいのに、自分勝手にしゃべる始めることもあります。
 
僕は、話そうとすると頭が真っ白になってしまい、言葉が出てこないのです。そのため、現在は文字盤ポインティングを行っています。会話は「はい」「いいえ」などの簡単な返事をするのも大変です。
 
自分から何かを要求することは、本当に難しいです。僕の場合、お菓子が食べたくても自分から言うこともできません。「何か食べる?」と聞かれてるとか、いつも食べている時刻にならないと、言葉が出て来ないのです。食べたいという気持ちはあっても、その表現をすること自体にふたがされている感じです。そして、食事時間や他の人が食べている様子を見ることによって、そのふたがあくのです。とても不思議です。
 
本当の僕は、何の制約を受けることなく、時間という枠を超え、ただひたすら声の限りに叫び、大地を駆けていたいのです。あるいは、音も言葉もない静寂な水の中で、じっと息を殺し、永遠に続く宇宙の鼓動を感じ続けていたいのです。なぜ、ぼくが原始人のような性質を持ったまま生まれたのかはわかりませが、原始人の見ていた世界を、僕は体験していると思います。僕は、原始人が現代人より劣っているとは思っていません。現代人がなくしてしまった原始人の素質を、僕が受け継いでいると考えれば、少し楽しい気分になります。
 
鳥の鳴き声が聞こえると、僕は鳴き声に浸ってしまいます。鳴き声を聞くのではなく、まるで自分が鳥の仲間になったように、自分が人だということも忘れてしまいます水の中にいるときにも、同じような安らぎを感じることがあります。ただ、あるがままの自分でいられるとき、僕も地球の生命の一部になったような気がします
 
僕はボウリングやカラオケが好きです。なぜ、ボウリングが好きかというと。大きな声を出しても目立たないし、結果がすぐに表示されるので、ゲームの侵攻が理解しやすいからです。カラオケも大好きです。歌は歌えるので、どんな下手でも大きな声で歌います。歌っていると、歌の世界に入り込みます。現実の世界とは違い、歌の世界は、楽しいことや悲しいことがあっても、必ず曲と同時に終りが来ます。終わりがはっきりしていて、歌詞も決まっています。それが僕には安心なのです。
 
(されて嫌なことは何ですか?)僕の場合です。何もわかっていないと思われ、無視されたり、僕については話したりされること。僕がいる前で、親や兄弟が大変だという話をされること。こうするのが本人のためだと勝手に思われ、意見されること。奇声、こだわりなど迷惑をかける僕がやりたがっている、と思われること。
 
「話をする相手が誰かわかりますか?」「声をかけても気がつかないのはなぜですか?」「言葉を自由に使えないことをどう思いますか?」「乗り物に乗ったときはどんな気分ですか?」「何でも口に入れてしまうのはなぜですか?」「どんなときに安らげますか?」「こだわりはやめられませんか?」「反復行動はやめられませんか?」「注意してもやめられないのはなぜですか?」「集中したときにはどうなりますか?」「じっとしていられないのはなぜですか?」「迷子になるのはなぜですか?」「すぐに行動できないのはなぜですか?」「時々ぼーっとしているように見えるのはなぜですか?」「お手伝いはできますか?」「植物のどんなところに関心を持ちますか?」「カレンダーが好きな理由は何ですか?」「辞典や広告などをじっと見るのはなぜですか?」「「おかあさんといっしょ」の番組はおもしろいですか?」「余暇にはどんなことをしていますか?」「バンドエイドをすぐに貼りたがるのはなぜですか?」「どのようなことで感動しますか?」「予想外のことが起こるとどうなりますか?」など。

 

ひとそれぞれ違っていいよね。東田さんの他の本も読んでみよう。超オススメです。(・∀・)