大学生の頃、「老子」に惹かれた。老子の自然体な、力の抜けた、それでいて真の強さを感じるメッセージに心を打たれたのだ。
さて、この本。「伊那谷の老子」と呼ばれる加島祥造氏が語る、老子。さりげない詩句で語られる宇宙の神秘と人間の生きるべき大道(タオ)とは?生き生きとした言葉で現代に甦る『老子道徳経』全81章の全訳創造詩。この中で最も気に入った詩を紹介しよう。
タオの在り方にいちばん近いのは
天と地であり、
タオの働きにいちばん近いのは
水の働きなんだ。
タオの人がすばらしいのは
水のようだというところにある。
水ってのは
すべてのものを活かし、養う。それでいて争わず、威張りもしない。
人の厭がる低いとことへ、先に立って行く。
水はよほどタオの働きに近いんだよ。
タオの人は、自分のいる所を、いつも
善いところと思っている。
心は、深い淵のように静かだ。
つきあう人をみんな善い人だとし、
自分の言うことは
みんな信じてもらえると考え
社会にいても
タオの働きの善さを見失わない。
タオの人は、手出しをしないで
あらゆる人たちの能力を充分に発揮させるから、
人びとは
自分のいちばんいいタイミングで活動する。
これをひと口でまとめると
争うな、ということだ。
水のように、争わなければ、
誰からも非難をうけないじゃないか。
…確か「楽天イーグルス」の初代監督は田尾安志さんだったなあ…、そりゃタオだよ!オススメです。(・∀・)