「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

『パソコンが野球を変える!』(片山宗臣)

私は野球好き。(・∀・) 24時間、延々と野球の話ができる、と思っている。野球ファンであれば、「アソボウズ」の名前を一度は聞いたことはあるだろう、(・∀・)ご縁があって、代表の片山宗臣氏とお会いした。スゴイ!まさに目からウロコというのはこのことだろう。野球に関しての質問に的確に、明確に応えてくれるのだ!さて、この本は、野球界に革命をもたらした片山さんの著作。そのエッセンスを紹介しよう。


・私たちが野球界の舞台に上がったのは95年の日本シリーズ、ヤクルト対オリックス戦からである。結果はヤクルトが四勝一敗でオリックスを圧倒したのだが、シリーズ前、私たちはオリックスとくにイチロー選手の攻略法をほぼ完璧に編み出していた。そして、そのデータをヤクルト側に提供し、野村克也監督がイチロー封じに活用していたことは、スポーツグラフィック誌「ナンバー」で「丸裸にされていたイチロー(95年)「コンピュータ革命の衝撃」として紹介され、大きな反響を呼んだ。私たちはコンピュータを駆使したスコアメーキングのパイオニアとして認知され、それ以降は本当に様々な媒体で紹介していただいた。


野村監督の唱えてきたID野球とその申し子、古田敦也日本シリーズに初めてその姿を現した天才打者、イチローとの対決こそがシリーズ最大の見どころだった。その裏で私たちアソボウズのデータが密かにヤクルトベンチで解析されていたと知る人は、この時期もちろん一人もいなかった。


・私たちは、プロ野球アウトサイダーである。球団や機構に在籍したことのある人間は一人もおらず、言ってしまえばただの野球好き、しかし、このマニアの趣味が高じて、最終的にプロ野球に改革を促すようなシステムを作ってしまったのである。簡単にいえば、野球のスコアブックをパソコンに入力することで、多角的な分析用のデータを瞬時に表示できる、そういうシステムを作り上げたのである。


バレンタイン監督のロッテは、このシステムを実に効果的に使った。神戸でオリックスの優勝を阻止した試合はそのシーズンの名勝負に数えられ、シーズンが終わると常連の下位から二位に躍進していた。ロッテには、「アソボウズ」のデータが大きな力になっていたのである。


・ヤクルトとオリックスをの試合は、全部で五試合。そして対イチローで古田がヤクルト投手陣に指示したボールは、全部で93球だった。そのすべてのボールには高いレベルの「意図」があり、その意図に苦しみ抜いた天才打者のあえぎ、そして最後にヤクルト主戦投手、ブロスに浴びせたホームランからは天才打者の維持が垣間見え、データだけからでも息を呑むような緊張感が伝わってくる。24打席19打数5安打、三振4,四死球4、打点2、ホームラン1。両者の対決は古田の圧勝。イチローの完敗といって間違いないだろう。


・データは、ただ数字が羅列してあればいいというものではない。もちろん、丁寧で緻密なスコアブックがあればいいというものでもない。選手たちが、試合でいかに有効なデータを生かすことができるか、逆に言えば、選手たちが生かせるようなデータをどう提供してやれるか、そこがしっかりとしていなければデータは宝の持ち腐れになる性格な情報、的確な分析力、単純化したプレゼンテーション。この三つがすべてそろってこそ、初めて選手が使える武器としての「データ」が出来上がるのである。


・よくゴルフ雑誌などに、プロのスイングの連続写真が掲載されている。そこに書かれた技術解説を読み、なるほどと理解したつもりになっている人はよく見かける、しかし、たいがいの人はプロのフォームのポイントを頭では理解できても、自分の体が思い描いた通りに動いているかどうか確認することはできないはずだ。そこまで考えて、自分のスイングとプロのスイングを一つの画面に並べて見比べたらどうだろう、という発想が生まれた。そこにたとえば、ラインを弾いたら、自分とプロの違いが一目瞭然にわかるのではないだろうか。さっそくそれを実行した。


・プロでもアマチュアでも、自分の経験だけを頼りに選手を指導する監督、コーチがいるが、人を指導する上で最も重要なことの一つは「客観性を持つ」ということだと思う。映像を使って指導すれば、指導される選手も納得できる。


伝える脳力がない、客観的な材料で選手を教えることができないーそういう指導者をこのわずかの年月で数多く見てきた。もはや経験則だけで選手を指導する時代は過ぎているのに、球界にはまだまだ古い体質が色濃く残り、選手を自分の鋳型にはめ込もうとするコーチがいる。そういう中で、オリックスという球団はさすがだった。チーム全体から、コンピュータを使ったシステムを活用し、研究していこうという意欲がひしひしと伝わってきたからだ。その結果が、ヤクルトに完敗した翌96年、巨人との日本シリーズで、四勝一敗で巨人に圧勝したのだ。


・もしアメリカや中南米の選手の情報をストックし、ガラス張りで各球団に提供できれば、今のように大した成績も残さず、一年限りで帰国するような「不良外国人」を獲得することもなくなるはずだ。


・試合はスコアラーのデータから始まる。なぜデータが必要かというと。プロ野球はほとんどが紙一重の実力者で構成されているからである。チームがトップになるか最下位になるか、個人でいえば、首位打者になるか、あるいは一軍半の選手で終わるかというのは、それほど実力の差があって生まれるものではない。人のやっていないことを工夫して実行する。選手ならトレーニングや、トレーニングへ向かうまでの姿勢の善し悪しが大きく成績を左右するのである。今までのフォームで打てない選手は秋季練習で強化トレーニング、矯正トレーニングをしなければならないが、そのためにデータや映像がどうしても必要になってくる。その段階で必要になるのがスコアラーでありアソボウズの様々なシステムなのである。


はあ…スゴイ…!(゜o゜) 今、片山さんがやろうとしている壮大な夢に向けて、微力ながらお手伝いさせていただいている。世界の野球界が変わる。世界のスポーツ業界が変わる。ご期待あれ。超オススメの本です。(・∀・)