「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「落合博満アドバイス 指導者に明かす野球の本質」(落合博満)

   


落合博満 アドバイス―――指導者に明かす野球の本質


右打者で最高の技術を持つと言われている三冠王三回の大打者、落合博満。(・∀・)監督退任後初の著書、ついに発売!


短期決戦の戦い方・データ活用の落とし穴・チームマネジメント・適性の見極め・実践的練習法・コミュニケーションの流儀……指導者が抱える悩みに名将が正面から答えた新しい野球のバイブル、誕生!ゼロベースで考え抜かれた野球の「理屈」に、指導者はもちろん、選手、そしてすべての野球ファンなら誰もが唸る!」そのエッセンスを紹介しよう。


・十数年前のこと。アマチュア野球指導者の講習会での質問「1点リードして9回裏の守り。二死満塁で打席にイチローを迎えたら、どんな指示をしますか?」あるOBは「神頼みするしかない」私はイチローを敬遠し、次の打者を全力で打ち取る。なんとか同点で延長に持ち込み、そこから勝機を探ればいいのではないか」勝つか負けるか一瞬で決まってしまう場面に、負ける確率を低くできる方法があるなら、私はそれを選手に支持する。同点では勝てない。しかし、負けでもないのだ。これは決して正解ではない。私がこの場面で考えた「最善と思える策」だ。正解のない問いに悩んでいる指導者が多いのなら、最善の策を私も一緒に考えてみたい。それが、本書の著した大きな動機だ。


・現場を預かる監督は、四番の存在意義や育成論など考えている暇はない。目の前の試合に勝たなければ明日がないのだ。ならば、きれいに得点を取ろうなどとは考えずに、どんなに泥臭い取り方でも一点は一点だと考えるしかない。だから中日で四番を任せたタイロン・ウッズには、普段から「どうしても送りバントで走者を進めたい場面で、おまえに打席が回ってきたら、代打を出させてもらうからな」と言っていた。


・監督の采配と聞けば「何かをすること」あるいは「何かをしなければならない」と捉えている指導者は多いと思う。天邪鬼に聞こえるかもしれないが、私が8年間の監督生活で実感したのは、究極の采配は「何もしないこと」ということである。


私の仕事はチームを少しでも勝利に近づけること。そうなると、どうやって相手より一点多く取るかを考え抜き、得点できる確率、失点しない確率を追い求めていくことになる。私自身は、何事も確率の高さを追求することが成功へのカギだととらえている。


・自主性に任せるという方針は聞こえはいい。しかし、実際に自主的な取り組みだけで着実に成長できる選手など、プロの世界でもほとんど見たことがない。一流と言われる領域に達した選手の大半が、若い頃は徹底的に練習を、やらされ、そこから考えて練習することを覚えてきた。表現はいけないが、若い選手は強制的に練習させなければいけないと考えている。


行き違いを避けるため、私は話したことをその場復唱させるようにしていた。選手の受取方や理解力に個人差もあるので、指導者には「自分の教えたことが正しく理解されているのだろうか」という不安が常につきまとう。選手に何か話したら直後にこう言ってみる。「俺が今、何を話したかオウム返しでもいいから言ってみてくれ。俺が何を言おうとしていたのか、今度は俺に伝えてみてくれ」これには二つの効果がある。ひとつは、私と話をすると必ずこう言われるから、私の話は集中して聞かなければならないと思ってくれること。もうひとつは、私自身が話した直後に相手の理解度を把握できることだ。


バッティングを教えることは一番難しい。若い選手のスイングを見れば、打てない原因は見つけられる。さらにそれを改善する指導まではできるのだが、それで着実に成長するかといえば、思い通りにはなってくれないケースが多い。


……個人的に落合監督の復活を強く希望します。野球ファン必読。超オススメです。(・∀・)


   


落合博満 アドバイス―――指導者に明かす野球の本質