「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「おにぎりの丸かじり 28」(東海林さだお)


マンガ家の東海林さだお氏は,天才である。身近な食べ物のエッセイを書かせたら,実にくだらなく,おもしろく,独特の感性で書き上げる週刊朝日に連載中のコラムをまとめた「丸かじり」シリーズのこの本も
ケッサク!その中で最も響いた章をエッセンスでお届けしよう。



【おにぎり解放運動】


おにぎりの歴史は内包の歴史である。シンボルの内在の歴史であり、具の秘匿の歴史である。秘すれば花
おにぎりは隠し事の思想に貫かれている。梅干しで考えてみよう。
梅干しはその周辺を厚いゴハンで覆われている。そして、更に黒色の海苔でその上を覆う。
いま梅干しは闇の世界に閉ざされた。闇から闇へ。梅干しはこの世の光を一度も浴びることなくその生涯を終える。
その梅干しの生き方を人々はよしとしてきた。
だがここへきて「人権派」といわれる人たちがおにぎり界の周辺に現れたのである。


おにぎりの具の一生はあれでいいのか、暗闇から暗闇の人生でいいのか、具の人権はどうなる、「目覚めよ具!」「具に光を!」を
スローガンにして活躍する、おにぎりオンブズマンである。
この運動から生まれたのが天むすなのである。
おにぎり解放運動は、当然おにぎり保守派のハゲシイ抵抗にあった。
だからまだ、おにぎりの具の、内部からの脱出は成功していない。
半分しか成功していない。
天むすが、具の一部脱出という形になっているのはそのせいなのだ。





その他、「イート・インの中のぼく」「丼一杯おかず無し!!」「白くてもカレー」「蕪の真意」「コロモの喜びと悲しみ」「串の力量」「ビーフシチューの態度」「コンビニおでん食いたい」「コンビニ中華マン食いたい」「力うどんのチカラ」「煎餅バリバリ食べ放題」「お洒落なバーで味噌汁を」「冷凍みかんの思い出は…」「わらびの憂い」「海老物語」…など。