- 作者: 岡本太郎
- 出版社/メーカー: アートン
- 発売日: 2004/02
- メディア: 単行本
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テロ、戦争、核、訳のわからない感染症。先の見えない世の中。「迷宮とは図式の空間ではないのだ。人生・即・迷宮」 混迷の時代を生き抜くための岡本太郎迷宮論。そのエッセンスを岡本敏子の文章から紹介しよう。
・「岡本太郎は、最初から岡本太郎だった訳ではないのよ。彼は岡本太郎になったの」
自分で決意して、覚悟を決めて、そうなり、それを貫いたのだ。
天性強い人とか、聡明な人、才能のある人、そんなのは何でもない、そういうものはいつでもぐらぐらするし、破れる。
才能のある人は才能によってつまずくし、聡明な人は自分の馬鹿に気がつかない。だが岡本太郎は最初から、まったく捨て身、自分を投げ出したところから出発した。だから彼は恐れない。
「うまく行こうなんて思うな」 「常に危険な方、こっちに行ったら死ぬかもしれない、という方を選ぶんだ」と彼はいう。事実、その通り行動し、貫き通した。決意して以来、いっぺんもぐらぐらしたことはなかった。
どんなに怖くても、死ぬなと思っても、やるべきことだからやる。エネルギーがあるからやる、のではない。どんなに無かろうと、マイナスであっても
爆発する。彼はそう言っていた。
これは実は迷宮を生きるときの方法論なのだ。一寸先は闇、見えない、手探りで進むのだから、ぶつかるしかない。未知に向かって、つまり死に向かって、身を投げ出す。それしか迷宮をひらく極意はないのだ。
現代、この混沌とした時代。テロ、戦争、核、訳のわからない牛や鶏や、人生の感染症。不気味な、先の見えない世の中だ。誰も確実に先を見通す人はいない。この迷宮の世界を進んでゆくにはこの方法しかない。……岡本太郎のように。
いいなあ…!岡本太郎っていいなあ!オススメです。(^。^)