- 作者: 穂高明
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2011/06/21
- メディア: 単行本
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主人公の中学生、千春はバス事故でバレー部の友人や教師を失った。だた一人生き残った罪悪感から深い心の痛みを抱えて、引きこもる千春。「なんで私だけ助かったの…」。そんな彼女の弟、担任教師、友人の遺族である母親、新聞記者など、千春と関わる6人の視点で綴る短編集。そして読み終わるとすべて繋がっていて物語が完結するのだ。人それぞれの視点や見方で現象って変わるんだね。きっと私たちの毎日の人間模様ってこういうものなのだろう。優しい強さが沁みわたる「再出発」の物語。その中でもケーキ屋さんのセリフがいい。
「俺は、お客のために毎年決まった日にケーキを焼くことが、自分の生き甲斐になってんだよ。誕生日ケーキってよ。毎年ひとつひとつ歳を重ねていくことの証明みたいなもんだからな。お客のめでたい日を祝う仕事だと思うと、自分のやっていることが何だか誇りに感じるわけよ。注文のホールケーキを焼くと、ああ、またあれから一年経ったんだなって、すげえ嬉しいんだよな」
毎年、元気に誕生日を祝えるってありがたいことだよね。当たり前ではないよね。感謝。周りの人の誕生日を心よりお祝いしたい。一読をおススメします。(^^♪