メンタル・コーチング 潜在能力を最高に発揮させるたったひとつの方法
- 作者: 白井一幸
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2007/04/03
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一昨年、その前と日本一に輝いた北海道日本ハムファイターズ。(^u^)その陰にはヒルマン監督の懐刀の白井一幸氏がいたのだ!白井氏といえば、私の世代には懐かしい攻守ともに名選手だったよね。
プロスポーツの世界でも、指示・命令・恫喝では、選手は動かないし、能力は発揮できない。それらの答えはすべて「メンタル・コーチング」にあったのだ。そのエッセンスを紹介しよう。
・私は現役時代に、当時の野球選手としては珍しく、専門家に頼んで個人的にメンタル面での指導、いわゆる「メンタルトレーニング」を受けていた。メンタル・トレーニングに関心を持ったのは、選手時代のあるとき、それまで心地よかった緊張感に押しつぶされそうな感覚を抱くようになってしまってからである。毎日試合があるプロの世界では、毎日毎日が緊張の連続である。その後、スイッチヒッターに転向し、また大怪我の後1991年には自己最高打率0.311でリーグ三位を記録し、最高出塁率賞に併せてカムバック賞を受賞。さらに二塁手として、545回の連続無失策のリーグ記録を作ることができたのである。いずれもメンタル・トレーニングの効果を思い知らされた経験だった。
・従来、常識とか定説になっていた指導法の最たるものが、「怒る」「教える」「やらせる」のスリーパンチである。厳しい練習を課せば、厳しい練習に耐える忍耐力はつく。しかし、そのことと「緊迫した場面で力を発揮」になるか。答えは別だ。10の力がついた選手でも、本番で五しか発揮できないのでは、まだ七の力しかないけれど、本番で七めいっぱい出せる選手に負けてしまうのである。
・二軍の監督になって、私がまず試みたことは、選手のプレーに対して「怒らない」ことだった。コーチたちにもこれを守ってもらうことにした。選手は委縮せずにのびのびと一生懸命のプレーをみせるようになる。そうすればエラーの回数も減り、結果的にストレスが減って、選手との信頼関係が強くなっていく。小手先のテクニックではなく、どこまで選手の力を引き出すことができるかという本物のテクニックが試されているわけだ。
・コーチは選手自身に考えさせることだ。選手に質問をして、今日のミスの原因や問題点を答えてもらうのである。コーチにとって最重要な役割は選手に考えてもらう「質問」を用意することなのである。しかし、これをいうと、また勘違いがおきることがある。それは「質問」が「詰問」になってしまうことだ。「おい、おまえ、今日、何でエラーしたんだよ。原因わかるか」「やる気はあったか」「どうなんだ」と。「詰問」でなくか「質問」をしてほしい。そうすれば、選手の口から選手自身が分析した問題点が出てくるはずだ。これなら、選手とのコミュニケーションはスムーズになることは間違いない。
・私がチームで心がけていることは、選手の委縮を取り除いたり、コーチと選手の距離を縮めたリすることは、コーチのもっとも大事な仕事のひとつなのだ。そのために何よりも大切なのは、雰囲気作りである。
・これまで一軍の選手たちは、指示、命令という指導を受けてきた。また、失敗をすれば叱責されて当然であり、そうしたことに慣れきっていたのだ、。しかし、ヒルマン監督はまったくちがっていた。彼はとにかく選手を褒めるのである。そこまで褒めたくていいとうぐらい、とにかく褒めるのだ。そして、アメリカ人の監督に褒められると、褒められ慣れていない選手も嬉しくなってくる。失敗したときでもあっても、「ナイス・トライ。やろうとしている姿が出ていたぞ」と限りなくいいところをみつけて
褒めてあげるのだ。これで喜ばない選手などどこにもいないだろう。
・全力=「身体を動かすことに対しての全力」だけでなく、「考え方」「心の持ち方」にも全力があり、そしてことをおこす前の「準備」にも全力で備える必要があることに気づいた。そこで、身体へのアプローチをやめ、選手の思考を動かすアプローチをしてみることにした。それが励ましであり、質問であり、聞くことであった。身体を動かすことから、心を動かすことにアプローチを変えたことが、すべてのスタートだった。
もし、心を動かすことができたら、何でもデキるもんね。おススメです。(^u^)
白井一幸 オフィシャルブログ
http://shirai90.ashita-sanuki.jp/