「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜『High and Dry(はつ恋)』(よしもとばなな)

High and dry(はつ恋) (文春文庫)

High and dry(はつ恋) (文春文庫)

東日本大震災、心よりお見舞い申し上げます。ご不明の方々のご無事を心よりお祈り申し上げます。


さて、皆さんの初恋はいつだったろうか。私は、中一のとき。詳細はこれを見てね。


SAトレーナーブログ 小野塚:男になった瞬間!?
http://blog.livedoor.jp/samaster/archives/51721078.html


「生まれて初めて、ひとを好きになった瞬間を覚えていますか?」という何とも甘酸っぱいフレーズ。14歳の夕子のはつ恋の相手は20代後半の絵の先生。「あの、もっとよく知り合いたいんです。よかったもう少し親しくおつきあいしてもらえませんでしょうか。」ちょっとずつ、歩みよって、仲良くなっていくふたりに訪れた小さな奇跡とは!?心温まる永遠のファンタジー。 そのエッセンスを紹介しよう。



「自分の考えをよく見てみると、きっとそれぞれに色があるだろう?色として見えなかったとしても、しいて言えばどの色に置き換えられるかは想像できるだろう?それをどんどん塗っていってみたら?」と彼は当然のように言った。私はそう言われてはじめて、自分の考えに色があるということを自覚することができた。


月下美人の植木のわきから、小さい人間が走り出ていったのだ。そして、ふたりは同時にもう一回、月下美人を見て、何もないことを確認した。それからふたりは全く、そのニュアンスまで同じ封に、「今、確かに見たけど、誰にもいうのよそう」と思いあった。お互いが寸分もたがわずにそう思ったということまで、お互いわかった。そして、全く同じことを考えていたそのとき、彼の目と私の目はひとつの体についているひとりの人間の目のように同じだった


人を好きになるとこんなにも、つらいけれどいい涙が出るなんて知らなかった。


・彼の自然さから、私は確信した。純粋に年齢的な理由から、彼は私にキスしたり、私を抱く気は全くないということが。そういうことをはなから投げているから。会おうという気持ちになったのだ。そう割り切れると。ちょっとがっかりしたようなほっとしたような両方のキモチがあった


「僕は、ほんとうに、夕子ちゃんと知り合って、よかった。僕の頭の中の何かが戻ってきた。なくしそうになっていた大事なものが。僕はもうほとんど君のことを好きといっていい状態になってる。ほとんど幸せに近くて、君のためならなんでもできる、そういうのに近い状態になってる」


・この眠りは、生涯の中でもいちばんすてきな眠りだろうな、と私は思った。いつかまた形を変えてしまうキュウくんの気持ちの、最高の、ピークのところがたった今だ。それを私は聞いてしまった。最高だ、はつ恋をして、その相手にも誰よりも自分を好きになってもらった瞬間だ。私は目を閉じて、風と音楽の混じる音を聴きながらそう思った。…時間よ止まれ、もうこれ以上絶対に進まないで!



早く、地震がおさまりますように。27000名を超える死者・安否不明者の方々並びにご家族の皆様、謹んでお悔やみ申し上げますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。多くの被災者の方が一日でも早く元の生活に戻りますように。