「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜さすがプロ!…『職人ことばの「技と粋」』(小関智弘)

15歳でアコースティックギターと出会い、狂ったようにギターを弾いていた。(^^♪その時ふっと芽生えたのが、ギター職人になること。なんかひたすらに良いギターを作り続けるというそのストイックさに憧れたのだ。(^u^) でも飽きっぽい私は続かなかったけどね…。


さて、この本は、、旋盤工として半世紀を町工場に生きた著者が、おりにふれて書きとめた「技の口伝」の記録。寡黙な職人たちが、その「技」と「心意気」を凝縮し、受け継いできた含蓄に富む「職人ことば集」。これも何かのご縁なのか、私の大好きなヤイリギター矢入一男氏が載っているではないか!(^^♪ 私のヤイリは、1980年製のTG-55、ギルドモデルです。そのエッセンスを紹介しよう。


【ギターを寝かせる】


サザンオールスターズの桑田佳佑、GLAY、福山雅治長渕剛、ポール・マーカットに―やデヴィット・クロスビーといったミュージシャンが愛用しているのが、わが国が誇る手作りギターです。ヤイリギターで知られる矢入一男さんは、昭和7年生まれ、ギターづくりを本格的に学ぶためにアメリカで修行し、帰国後は一貫して日本製手作りギターにこだわり続け、平成17年度の「現代の名工」に選ばれました。
素材の木は、自分で目利きして世界各地から取り寄せ、数年から十数年も自然乾燥させます。「機械乾燥なら簡単。しかしギター材とした材としたは、水分が無くなるだけでは不十分です。木の細胞が落ち着く自然枯れでなくてはいけない」というのが信念です。
製作工程にさまざまな工夫があるのはもちろんのことですが、出来あがった後もギターを、温度や湿度が管理されたシーズニング・ルーム(調整室)に最低十日間は「寝かせ」て、CDや音楽を「聴かせ」るのだそうです。ギター自体が音楽に共鳴し、馴染んで、ようやく本完成ということです。


ヤイリギター
http://www.yairi.co.jp/


【手は宝】


会津上布(細い麻糸を使って平織りにする上等な布)の糸をつむぎ、その糸を使って機織りするおばあさんが、「手も動かしていれば、宝でしょ」上手に織ることができて、それを眺めるときの達成感、それを着てくれる人の満足げな表情や、感謝のことばを受けたときの満ち足りた心。そういうものを含めての「宝」なのでしょう。ものづくりをする人たちの喜びはいつも、そのものを通して、人や社会から反射してくる光によって満たされるものだからです。それが生きる誇りとなるからこその宝です。


【手に記憶される】


法隆寺薬師寺の宮大工棟梁の西岡常一さんは、『木のいのち木のこころ<天>』のなかで、弟子を育てる、あるいは技能の伝承について次のように語っています。

「何度も繰り返し、手に記憶させていくんです。頭で考えたことをやってみて手に移すんです。技は技だけで身につくもんやないんです。技は心と一緒に進歩していくんです。一体ですな」


「教えるというんやなくて、覚えるのを助けるというほうが当たっているかもしれませんわな」


「芽というたら伸びてくるおのだけやなしに、伸びられずにいるものも言いますのや。その芽も伸ばしてやらななりません」


いいなあ、職人さんって。プロってすごいなあ。憧れるなあ…。おススメよ!(^^♪