「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜『ニシノユキヒコの恋と冒険』(川上弘美)

ニシノユキヒコの恋と冒険 (新潮文庫)

ニシノユキヒコの恋と冒険 (新潮文庫)

女性にとって永遠のテーマが「若さと美しさと女らしさ」だとしたら、男性にとって永遠のテーマは「女性にモテること」ではないだろうか。(・。・) 


自称「恋愛詩人」でもある私は、お世辞にもモテるタイプではなかった。そのお陰で(?)いろんなボキャブラリーを使って表現することを覚えたのかもしれない。


さて、この本のタイトル、オモシロイでしょ。個人名だよ。「どうして僕はきちんと女のひとを愛せないんだろう」
稀代のダメ男、ニシノユキヒコのあらゆる時代の姿、恋愛を冷徹な視線で描く一方で、各編の語り手である10人の女性たちの、そのときどきの気持ち、愛についての考え方を浮き彫りにする。そしてなんとも胸が苦しくなるような、最高の恋愛小説なのだ。

姿よしセックスよし。女には一も二もなく優しく、懲りることを知らない。だけど最後には必ず去られてしまう男一匹ニシノユキヒコの、恋とかなしみの道行きをたどる傑作連作集。ときには中学生、中年、そしてこの世を去ったニシノくん。なんかこんな一生もいいかも。(^_^;)
気になるフレーズをいくつか紹介します。


「ニシノ君とのキスは、さみしかった。今まで知ったどんなさみしい瞬間よりも」

「西野君の手は、あたしにとってまるで違和感がなかった。どこまでが自分の手で、どこまでが西野君の手なのか、つないでいるうちに、わからなくなるような感じだった」

「女自身も知らない女の望みを、いつの間にか女の奥からすくいあげ、かなえてやる男。それがニシノくんだった」

ん〜…ニシノくんになりたいような…なりたくないような。(^^♪オススメです。