- 作者: 山際淳司
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1998/08
- メディア: 文庫
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さて、またまた野球本。ごめんね…。野球ばっかりで…。(^v^)
『江夏の21球』で有名な故・山際淳司氏の遺作。読売巨人軍の全盛時、V9が決まった1973年の巨人−阪神の攻防を書いたノンフィクション。たんたんとした文章ながらジーンと胸に響く一冊だ。そのダイジェストを紹介しよう。
セ・リーグでは八月中旬から九月にかけて六つのチームがわずか3ゲーム差のなかにひしめきあっていた。これほどの混戦はプロ野球が始まって以来、初めてのことだった。その中で抜け出してきたのが巨人と阪神。もし巨人が勝てば、九年連続優勝を達成する。阪神が勝てば1964年以来、ほぼ十年ぶりの優勝である。
残り四、五試合を残して、首位は阪神。ゲーム差はなく、勝率の差がわずかに1厘。そして、十月十一日のこの試合、阪神が巨人に勝てばほぼ優勝は決まる。その試合は二回を終わって7対0。堀内はノックアウトされ、阪神の先発は前日リリーフで、4イニング投げたエース江夏豊。しかし、最後は10対10で引き分けてしまうことになるとは…。そして最後の130試合目の巨人・阪神最終戦でタイガースが敗れ、ジャイアンツが九年連続してリーグ優勝するのだ。結果的に、この年を最後に川上監督が退任し、長嶋が引退するのだが、そこには壮絶なドラマがあった…。
「王と長嶋」、「川上野球の落日」、「名参謀・牧野茂」、「江夏豊という男」、「不調の長嶋に代わった富田」、「柳田、代打萩原の逆転ホームラン」など。スポーツっていいよね、ドラマチックだよね!おススメ!(^<^)