- 作者: 美輪明宏
- 出版社/メーカー: Parco
- 発売日: 1998/04/01
- メディア: 単行本
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BOOK〜人生のカンニングペーパー!…『ああ正負の法則』
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20080307
辛口だが、愛にあふれた美輪明宏のエッセイ。これがまたオモシロイのよ!そのエッセンスを紹介しよう。
・理想的な人間とは、頭は冷たく、心はあたたかく情熱に燃えているバランスの人をいいます。頭はあくまでもクールで冷たくて、どんなことがあってもカッカしない人。それでいながら思いやりにあふれていて、熱い情熱を持ってあたたかい心を持っている。でも一般の人はその逆。頭が熱くて心が冷たい、これが普通の人のバランス。それを逆転させるようにしなければいけません。
・健康な生き方のコツは、夜、横になってからは大事な重要な問題は考えないことです。横になるのは、これは休むために神経が働こうとするものなのです。それなのに、横になったまま仕事のこととか心配事を考えようとすると眠れなくなるし、マイナス志向になってしまいます。頭が大地に近ければ近いほど、マイナス志向になるのです。
・トカゲやヒラメは保護色の動物だと思われていますが、人間もまた保護色の動物なんです。それにはみんな気がついてないみたいですね。
例えばお屋敷町に住んでる親子が買物に来てるとするでしょう。なんとなく品がいいなあという感じがするじゃないですか。それはその人の住んでる家のインテリアとか、小物、読んでる本とか、しゃべってる話の内容とか聞いている音楽、それが全部そのまま出ているんです。それがそのまま見えない膜になって、その人を包んでいる、見えない十二単のように包んで、その人を包んでいるんです。
だから、値段の安い高いじゃなくて品のいいきれいなものをまわりに置いて、いい本を読んで、質のいい音楽を聞く。そして美術館に行ったり博物館に行って、いい文化をふだんから仕入れていると、その人なりがそのまま出てくるんです。
・人間が老けこまないようにするコツは、こだわらないということです。すべてにこだわらない、国籍、性別、年齢、職業、物欲、過去未来、感情。これらの他、もっといろいろあるでしょうが、人間が不安になったり、ゆううつな気分になっていったりするときには、かならず、どれか何かにこだわり続けているときです。未来のとりこし苦労とか、暗く悲しい過去をいまだにひきずっているとか、誰かに何かに執念深く怒っている、恨んでいるとかがあるものです。そういうときは忘れじょうずになることです。なかなか難しいことですが、さっぱりと忘れる考えないよう努力を繰り返すことです。
・関東大震災がありました。首都はもう全滅ですよ、でも、立ち直ったじゃないですか。第二次大戦で日本中が灰にされましたね、原爆は落ちるわ、東京大空襲はあるわで、でも立ち直ったでしょう。この間の神戸の大震災でもどうにか立ち直ってきているでしょう。銀行の一つや二つつぶれたからって、証券会社の一つや二つつぶれたからって、それが何だというのです?戦争で日本中が灰になったけれど、日本はダメになりませんでしたよ。ところが、今の世間は、日本が破滅しちゃって世の末みたいな騒ぎ方をしているでしょう。ガタガタ騒ぎなさんな、見苦しいというものです。株屋さんの一軒や二軒つぶれたって、なんぼのもんじゃい、というのです。
・あなたは、この世、つまり地球に生まれてきましたね。「ようこそ、はじめまして」、しかし、ご苦労様ですね。なぜならこの地球上は、この世の魂の修行場、道場なのですから。道場とは楽なところではありません。つらくて苦しいものです。しかし、この世は生れてから死ぬまで、心の修行をするために道場としてあるのですから、つらいのはあたりまえです。しかたがありません。逃げるわけにいきません。ですから悪口をいわれても裏切られても、どんなひどい仕打ちをされても、それが当たり前なのですから、何をいまさら泣いたり嘆いたり驚きあわてることはないのです。少々のことが襲いかかってきても、びくともしなくなるものです。
ん〜、すごい腹が据わっているね…。さすが美輪さん!人間の保護色がオーラなのかも知れないね。オススメ!
学生によるリアクション → 美輪明宏『人生ノート』
http://pweb.sophia.ac.jp/s-yamaoka/sub42.htm