「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜サイズの生物学!…『ゾウの時間 ネズミの時間』

ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)

ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)

またまた面白い本読んじゃいました!(^o^)丿「生物学」と書いてあるから堅くてムズカシイ本と思いきや、とてもわかりやすくい解説されているから安心してね。

私たちは、ふつう、時計を使って時間を測る。時は万物を平等に、非常に駆り立てていくと、私たちは考えている。ところが、そうでもないらしい。ゾウにはゾウの時間、イヌにはイヌの時間、ネコにはネコの時間、そして、ネズミにはネズミの時間と、それぞれ体のサイズに応じて、違う時間の単位があるのだ!そのエッセンスを紹介しよう。


・いろいろな哺乳類で体重と時間とを測ってみると、時間は体重の1/4乗に比例し、体長の3/4に比例するのである。体重が増えると時間は長くなる。体重が16倍になると時間が2倍になるという計算で、体重の増え方に比べれば時間の長くなり方はずっとゆるやかだ。つまり大きな動物ほど何をするにも時間がかかるということだ。動物が違うと、時間の流れる速度が違ってくるものらしい。例えば体重が 10倍になると、時間は1.8倍になる


・この1/4乗則は、時間がかかわっているいろいろな現象に非常にひろくあてはまる。たとえば、寿命をはじめとして、おとなのサイズに成長するまでの時間、性的に成熟するのに要する時間、赤ん坊が母親の胎内に留まっている時間、息をする時間間隔、心臓が打つ間隔、タンパク質が合成されてから壊されるまでの時間、など、すべてこの1/4乗則にしたがう


時間は唯一絶対不変なものではない、と動物学は教えている。動物には動物のサイズによって変わるそれぞれの時計があり、われわれの時計では、ほかの動物の時間を単純には測れないのである。


哺乳類はどの動物でも、一生の間に心臓は20億回打つという計算になる。寿命を心臓の鼓動時間で割れば、一生の間に約5億回、息をスーハーと繰り返すと計算できる。これも哺乳類なら、体のサイズによらず、ほぼ同じ値となる。


大きいということは、それだけ環境に左右されにくく、自立性を保っていられるという利点がある。動物は体の表面を通して環境に接している。サイズが大きいほど体積あたりの表面積は小さくなるので、表面を通しての環境の影響をうけにくくなると考えられる。よい例が体温である。サイズの大きいものほど恒温性を保ちやすい。


島に隔離されると、サイズの大きい動物は小さくなり、サイズの小さい動物は大きくなる。これが「島の規則」と呼ばれているものだ。島に隔離されたゾウは世代を重ねるうちに、どんどん小形化していいき、ネズミやウサギなどのは逆に大きくなっていく。


ゾウはなぜ大きいのだろうか。それはたぶん、大きければ捕食者に食われにくいからだろう。ネズミはなぜあんなに小さいのだろうか。それも捕食者の目から逃れられるからだろう。ゾウは非常に大きいことにともない、一世代の時間が長く、その結果、突然、突然変異により新しい種を生み出す可能性を犠牲にしている。


・大きい動物は、やはり大きい餌を食う。なぜだろう?大きいものなら、小さい獲物を何でも手当たりしだいに食いあさってもいいようにも思える。これは獲物を見つけるためのエネルギーと、それから得られる報酬とのバランスの問題であろう。餌の大きさは体重に正比例して大きくなっていた。ところが、一日平均の食べる量は体重の3/4乗にほぼ比例する
つまり体重が増えるほどには、増えないのである。アメリカムシクイという鳥がいる。体重10グラムほどのこの小さな美しい鳥は、ひっきりなしに虫を捕まえ丸飲みにしている。計算すると一日1300匹、なんと30秒に一匹、餌をとる計算になる。一方、体重100キログラムのジャガー程度の動物なら、三日に一度獲物を捕ればよい


大きな動物ほど広い行動圏をもつが、この広さは、ほぼ体重に比例する。行動圏に広さは、何を食うかによっても大きく変わり、肉食獣は草食獣の10倍以上大きな行動圏を持っている。サイズの大きいものは、行動圏のなかで、しょっちゅう自分の仲間と顔をあわせる機会がある。会うたびにけんかしていたのではエネルギーの無駄だ。けんかするより、共同で見張りをしたり、子守をすれば、より生きる確率が高くなる。サイズの大きいものほど長生きなので、年長者から、どう行動したら良いかを学ぶ機会が増えるだろう。このことも社会性の発達に役立ったと思われる


どう?おもしろいでしょう!当たり前のことなんだけど、「なぜ車輪動物がいないのか」「なぜスクリューを持つ魚がいないのか」は、ウロコから目が…、いや目からウロコ!立場や見方を変えて物事を見るって新しい発見につながるよね。おススメ!(^<^)