「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜戦時中の温泉物語!…『ラバウル温泉遊撃隊』(山崎まゆみ)

ラバウル温泉遊撃隊

ラバウル温泉遊撃隊

私は、温泉地、新潟県東頸城郡松之山町(現・十日町市)の生まれ。あまり知られてないけど、日本三大薬湯のひとつなんだよ。(^_-)-☆

今でも、年に一度は、里帰りをするけど、あの独特の香り!幼い頃を思い出すなあ…。やっぱり温泉はいいねえ!


日本三大薬湯 越後松之山温泉

http://www.matsunoyama.net/


さて、温泉といえば、同じ新潟出身で温泉ライターであり混浴がライフワーク山崎まゆみさんのこの本を以前紹介したよね。(^^♪


BOOK〜混浴しましょ!…『だから混浴はやめられない』(山崎まゆみ
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20090228


ありがたいことに、このブログに紹介させていただいたら、山崎まゆみさんから直接メールをいただいちゃいました。ネットってありがたいね!出会いを演出してくれるね〜。(^^♪


さて、その山崎さんの新刊がこの本。その内容にビックリ!(@_@;) 実は、日本兵は、戦時中に、パプアニューギニアラバウルで温泉に入っていたのだという。ラバウルには、日本名の地図が存在し、「花吹温泉」「宇奈月温泉」と名づけて入った温泉があるという。さて、どんな気持ちで、どんな人が、どんな風に温泉に入っていたのか?を探るドキュメンタリー!そして見つけた「温泉遊撃隊」とは何ぞや?その中身をチラ見しよう。


・戦争中に日本人が温泉に入っていたのか。あれだけ多くの地を流した大戦中に、温泉か。変な話だし、面白いなと違和感を覚えているくらいだった。銃撃戦があり、砲弾が飛び交い、たくさんの犠牲者が出るような血なまぐさい状況の中で、究極の癒しの空間である「温泉」に入っていた日本人。ただの温泉好きといった簡単には済まされない、何か、切ない感情がわたしに湧いてきた。いったい、どういう思いだったのだろう?


暑い国の人たちは、温泉に浸かるという習慣は昔から伝わるものではない。現在、温泉に入っている人たちに聞いてみると、ボルネオ島で出会ったカルンボイさんは、「日本人が入っていたから」と語る。

「戦争中、日本人はお湯が湧いている周りを竹で囲み裸で入っていた。なぜ、日本人が、あんなに臭くて、熱いお湯に入るのだろうと不思議だった。試しにその臭いお湯に入ってみようと思った。本当にアツくてビックリした。だけど、案外気持ちがいいものだ。それから入浴が習慣になった。今では、山で狩りをして帰ってきてからは、必ず入りに行くよ。」


・東南アジア諸国は、とても暑いから、わざわざ熱いお湯に入ろうなどと考える酔狂な人など数多くいるはずもない。日本人が温泉に入るという習慣を各地に広めたのだ。そして、戦時中、いったいどんな人がどんなふうにして温泉に入っていたのか?


・外地にいる日本人が現地の地図をつくる場合、必ず、日本名の地図をつくると地図の専門家から教わった。60年以上前の「要図ラバウル周辺」という手書きの地図を見ると、松島港、志賀高原、六高連山、糸魚川…まるで日本の観光名所と地名を集めたような地図だった。そしてそこに見つけた!小さい文字で宇奈月温泉を。きっと富山出身の人が、ふるさとを懐かしんで名前をつけたのだろう。


・旧兵士は語る。「熱いお湯に入って気持いいなんてもんはない。戦地ってもんはね、心の余裕はないよ。でもね。温泉に入って、お月さまをみていると思いだすんだよ。内地も同じお月さまだなって。温泉には、仲間の2〜3人で入る。皆で、田舎のことやら、食べるもののことやらね。、とにかく食べるものがないから、食べ物の話だよ」

「わたしの人生の中で最も辛かったものが戦争なら、その時にわたしを癒してくれた温泉は、天国でした。」


毎日が葬式なんですわ。毎日どこかの中隊で、必ず、葬式をしていましたわ。葬式いうても、火葬するだけの簡単なもんでしたが、葬式はやっぱり独特な雰囲気がある。それが毎日あった」



…ん〜、すごい!温泉好きの日本人に、戦時中の異国で戦う兵士たちの、こんなドラマがあったなんて…。戦死した叔父(母の兄)も、もしかしたら温泉に入っていたのかも!?山崎さん、よくこの話を取材してくれたなあ!感謝!歴史の隠れた一ページとしてぜひ読んでほしいなあ。オススメよ!


PS 山崎さ〜ん、約束どおり取り上げましたよ〜!今度は一緒に混浴しましょ!?


ラバウル温泉遊撃隊」 産経新聞 書評
http://sankei.jp.msn.com/culture/books/090802/bks0908020916008-n1.htm

愛浴家 山崎まゆみ オフィシャルサイト
http://www.ingsnet.com/mayumi/index.html