「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「人生が変わるすごい「地理」」(角田陽一郎)

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またまたスゴイ本を読みました〜!♪ テーマは「地理」。ワタシがずっと新潟の松之山にいたらどんな人生だったのか?小田原を出なかったら?横浜に住んでいなかったら?
 
地理がどれほど人生に重要な要素なのか!?そのエッセンスを紹介しよう。
 
「かつて日本に住んでいた人たちは、果たして自分たちを「日本人」だと認識していたのか?」
 
→ おそらく、日本の歴史における大部分の時代、僕らの祖先はそのような「国」こそが「自分たちが住む地域」のほぼすべてであり「自分はその〈国〉に帰属する」」と考えていたのではないでしょうか。つまり、自分は常総人であり、三河人であり、信濃人であるーというわけです。日本列島を統一する中央政権のもとに「自分」が存在しているとは、考えていなかったはずなのです。
 
縄文時代は、約1万5000円年前から約2300年前までの結構長い時代を指します。僕ら日本人がこの時代を縄文時代と意識しはじめたのは、モースが大森貝塚から縄文式土器を発掘してからのことで、150年も経っていません。日本史のなかで一番長い時代であるにもかかわらず、織田信長徳川家康坂本龍馬も、縄文時代を知らなかったということです。このささいな事実に気づくことが「地理的思考」をするうえで重要な要素となります。
 
・日本と米との関係は、人口にあらわれています。日本の面積は約37万8000平方キロメートル、人口は約1億2600万人です。ドイツを比べると面積はほぼ同じなのに日本の人口のほうが約1.5倍多いのです。両国の人口が異なる理由は、米の優秀さにあります。米は作付面積あたりの人口包容力が、ほかの穀物に比べて高いのです。米は日本だけでなく、アジアモンスーン地域で多く作られますが、この地域の人口密度は世界中を見渡しても、断然高いです。では、なぜほかの地域で米を作らないのか。それは、大部分の作物は気候や地形や土壌の適正がなければ、その地域では作れないのです。南ヨーロッパの夏に乾燥する気候では、オレンジとオリーブしかなかった、というわけです。
 
世界三大穀物といえば、トウモロコシ、米、小麦ですが、このうち米は温暖湿潤で、水持ちのいい湿ったところでよく育ちます。一方、小麦は涼しく、台地上の水はけのよおところでよく育ちます。これを知ることで、米を食べる国と、小麦を食べる国の風土の違いも知ることができます。それだけではなく特筆すべき違いは、米がおもに自給を目的として作られる一方で、小麦は商品的な性格を持ちます。大部分の米は、作られた国で食べられますが、小麦は生産国と消費国が違うのです。日本は米の自給率が100%、小麦の自給率は10%くらいです。小麦は主にアメリカとオーストラリア、そしてカナダから輸入したものです。
 
農業を知らないことで、日本の季節の移り変わりに鈍感になります気候や天候は地形に左右されます。その地形に寄り添いながら農業や産業、経済は形成されてきまいsた。僕らはその過程を知らずに、加工されて商品化された食物を手にしているだけなのです。米とはどういう性格のものかを知らずに、コンビニでおにぎりを買って食べる。小麦とはどういう性格のものかを知らずに、サンドイッチを買って食べる。食は生きることのの根幹です。つまり生きることの入り口(=第一歩)です。その食をする作業(=農業)に、少し思いを巡らせるだけでも、人生を環境に投影することの一助になると思うのです。
 
産業革命以後、「子ども」が誕生しました。実は、産業革命の前まで「子ども」という概念はなかったのです。ただ、“小さい大人”がいただけでした。ところが学校を作ったことによって、一定期間社会から切り離された状態で、読み書き、計算などの教育を受ける者(=子ども)が誕生したというわけです。つまり子どもの教育制度の原点は、労働の効率化にあったのです。こうして一定のスキルと知識を身につけた者を、会社に集めて効率よく働かせる仕組みができあがっていきました。
 
なぜ都市にカラスが棲むのでしょうか?それは、森には天敵のフクロウがいるからです。フクロウより弱いカラスは、森にいることができないのです。いろいろな食物を与えてくれるのが自然(=森)です。カラスにとっては人口(=都市)こそが森なのです。アートネイチャー感覚でいえば、フクロウのいない森を都市と呼ぶことができます。
 
その他、「渦巻き思考」「世界にはいったいいくつの国がある?」「世界は「組織化されていない人間社会」だ!」「平和な状態とは争点をぼやかすこと」「競争は、本当に大切なのだろうか?」「なぜ日本は世界で「ナンバー2」だったのか?」「なぜ「神奈川市」じゃないのか?」「江戸が東京に変わったのに、なぜ江戸川は東京川じゃないの?」「地図には、製作者のイデオロギーが入り込んでいる」「「ピーターズの世界地図」が教えてくれること」「「公平」と「平等」の違いを言えますか?」「県名と県庁所在地が違うところがあるのはなぜ?」など。
 
いや〜深いなあ……地理ってスゴイなあ……超オススメです。(・∀・)

 

 

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