(国書刊行会 バベルの図書館 ¥1800)
『白鯨』という作品名は、名前は聞いたことがあるくらいで、読んだことはない。(・。・)その著者のメルヴィルが2年後の1853年に書いたのがこの『代書人バートルビー』。私の感想や解釈によると、珍著というか奇書というか、不思議な惹きつけがある本なのだ。
ニューヨークのとある法律事務所で新しく採用されたバートルビーは3人目の代書人。つまり、法律文書の筆耕なのだ。コピーなんてない時代だもんね。(^^♪
彼は、仕事には忠実で、無表情に黙々と仕事をこなすのだが、誰とも口を聞かない、自分の仕事しかしない。
事務所の所長が、「バートルビー、書いた書類にミスがないように、読み合わせをしたいのだが、手伝ってくれないか?というとバートルビーは、「せずにすめばありがたいのですが」という。「何?」 「せずにすめばありがたいのですが」 「何言ってるんだ、急いでいるんだ。手伝ってくれ!」 「せずにすめばありがたいのです」 「…しょうがないな…。」
「じゃあ、バートルビー、郵便局に行ってほしいんだ」 「せずにすめばありがたいのですが」 「何?」 「せずにすめばありがたいのですが」 「子どもみたいなことを言ってるんじゃない。何で行きたくないんだ?体調でも悪いのか?」 「せずにすめばありがたいのです」 「……。」
とありとあらゆることを断るのだ。彼は食事もしない、家にも帰らない、なぜなら彼はその事務所に住んでいた。そして我慢の限界にきた所長は、事務所を引っ越してバートルビーを置き去りにする作戦に出るのだが…。そしてそのラストは…。あとは読んでね。(^v^)
テーマは「孤独」というのだが…いやいやナンとも惹きつけられる本。おススメ!(^◇^)