「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜『まるかじり劇場メモリアルBOX』(東海林さだお)

丸かじり劇場メモリアルBOX (朝日文庫 し 14-4)

丸かじり劇場メモリアルBOX (朝日文庫 し 14-4)

週刊朝日「あれも食いたい これも食いたい」の食エッセイでも有名な漫画家の東海林さだお。(^v^)氏は、漫画だけではなく、文章も上手いのだ!


この本は大人気の「丸かじり」シリーズから、108編を精選。氏の表現力、ボキャブラリー、視点の鋭さ!食へのこだわりがすべて楽しめる。そのエッセンスを紹介しよう。


【酢豚大好き】


酢豚という料理における最大のナゾが一つある。それは酢豚というネーミングである。すごいと思いませんか酢豚。乱暴だと思いませんか酢豚。みんな何の疑いもなく酢豚、酢豚と言っているが、こいうネーミング、他にあるでしょうか。たとえば酢牛なんていう料理あるでしょうか。酢馬なんて料理あるでしょうか。「青椒肉絲(ちんじゃおろーす)なんかは懇切丁寧に説明している。なのに、「酢」ということと「豚」ということしか言ってない。


【カレージルが足りないッ】


いつ、どの店で食べても、カレーのシルが足りなくて足りなくて、どんなにつらい思いをしてきたことか。カレーのシルくらいたっぷり出せーッ。ハァハァ、ブチブチブチッ牛丼屋を見ろッ。ツユダクと称してシルダブダブだろーが。好きなだけくれるんだよ。シルを。それなのにカレー屋はシルをけちってけちって、客が苦しんでいるのに知らん顔している。ラーメン屋なんか、客はみーんなツユが多すぎて残しているんだよ。現状のあのケチケチした量は、一体誰が決めたのか。消費者と相談して決めたのか。オレは聞いてないぞ。その昔、池田内閣は「所得倍増」をうたって国民の圧倒的な支持を受けた。われわれも「カレージル倍増運動」を全国に呼びかけようではないか。


【タン塩の時代】


舌で舌を味わう。あー、なんだか、もー、わたしは、あー、もー、身も世もあらず恥ずかしい。あなたの口の中であなたの舌は、舌を味わおうと称して舌同士たわむれあっているのです。舌と舌、同じもの同士。舌と舌、同性同士。裏も表も知り尽くしている同性同士だから、どこをどう触れれば相手がどう歓ぶかを知りつくしている。あー、なんだか、もーわたしは、あー、もー…。


【ゴーヤの丸かじり】


ゴーヤは見た目がコワイ。醜悪といってもいいくらいだ。全身をおおうイボ状の突起は、ガラパゴス諸島に棲むイグアナを思わせるものがある。緑色のイグアナだ。じっと見ていると。うー、不気味だ。うー、気持ちわるい。


…などなど。くれぐれも電車の中で読まないように…。抱腹絶倒の一冊!(^◇^)