- 作者: 早川いくを
- 出版社/メーカー: バジリコ
- 発売日: 2008/05/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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大きな事件、凶悪な事件の一方、ドジでマヌケでスットコドッコイ、どうにも話にもならぬバカバカしい事件も無数に起きていた。そんな戦後の混乱期の昭和20年代の新聞から取るに足りない事件ばかりを拾い集め、新たに光をあてた可笑しな可笑しな犯罪帳…。たしかに取るに足らない事件だ…。(^^ゞそのいくつかを紹介しよう。
・愉快な強盗 酔っ払って帰る
〜17日午前1時40分ごろ、埼玉県児玉郡北泉村で浴場業を営む久野俊郎さん(42)方に風呂敷で覆面をした強盗が侵入、就寝中の俊郎さんが眼を覚ますとくだんの賊が物色しているので「2階に酒がある」と誘ったところ賊は大喜び、約4時間にわたって二人は2階で酒盛りをやったが、賊いわく『度胸のよいのにはびっくりした、おれももう悪いことはしない、お祝いに一発撃とう』とフトコロからピストルを取り出し、天井に向け、発射、穴を空けたのち、ホロ酔い機嫌で逃走。(昭和23年6月19日 埼玉新聞)
・寒さに助けてくれ 老親子鎌倉で入水自殺はかる
〜横浜市西区在住の川田ヨネ(82)と川田キヨ(56)老親子は、鎌倉市由比ヶ浜海岸でアドルム(注:当時売られていた睡眠薬)を飲んだうえ、入水自殺をはかったが、寒さにこらえきれずに抱き合ったまま「助けてくれ」と大声をあげているのを通行人が助けた。(昭和25年3月4日 神奈川新聞)
・"金をお出しなさい" いやに優しい強盗
〜17日午前3時45分ごろ、荒川区田端新町、木箱製造業の吉田益二郎さん(62)方へヨレヨレのズボンをはいた失業サラリーマン風、35歳ぐらいの男がナタを持って押し入り、驚く吉田さんに「騒がないで金をお出しなさい」とていねいな言葉で脅し、700円を出すと、賊は、「有り難う有り難う」と2,3回繰り返し、「あと、2、3件寄るところがありますから戸締りをよくしてから警察へ届けてください」といってソワソワと出て行った。(昭和26年5月18日 朝日新聞夕刊)
・無銭飲食会社捕る
〜東京荏原署は10日「無銭飲食株式会社」なるものを作って都内の料理屋を荒らし回っていた無銭飲食の詐欺団14名のうち、同社社長・上田典明(37)ら8名を検挙、共犯の友井正次郎ら6名を指名手配した。この会社には入社資格と社員規則まで用意されていた。(昭和28年10月11日 朝日新聞)
ん…カワイイものだね…。それに比べて今の事件って信じられないような親子殺人とか残虐な事件が多い。昔は平和だったんだね。(^^ゞ